「解放新聞」(2017.09.25-2828)
福井県の曹洞宗大本山・永平寺法堂で9月14日、福山諦法・永平寺貫首が導師をつとめ、曹洞宗被差別戒名物故者追善供養法会が営まれた。部落解放同盟からは組坂委員長、坂本副委員長や地元福井県連の山下委員長など、10都県連23人が参列した。
福山貫首は「今日ここ永平寺にたくさんの方が来て下さり共に哀悼の誠をささげさせていただいた。お釈迦さまも私達の供養の姿をご覧になり必ずや慈しみの眸(ひとみ)でお守り下さりそのお力をお貸し下さるだろう」と供養の言葉をのべ、読経のなか参列者による焼香がおこなわれた。
法要後、永平寺監院の小林昌道・人権擁護推進室室長が「間違った戒名をつけるというあるまじき行為を反省し、いまなおある差別の解消にとりくむ決意を新たにしている。鋭敏な人権意識を備えた修行者を育成すべく人権教育にとりくんでいる」と主催者あいさつ。釜田隆文・曹洞宗宗務総長が「第3回世界平和会議での「日本に部落差別はない」との差別発言事件から部落差別をはじめあらゆる差別の解消にとりくんで38年が経過したが、宗門全体に徹底していない現状がある。差別戒名の放置は僧侶としての社会的責任の放棄。5月に長野県の1か寺で差別戒名墓石の改正と追善法要をつとめた。年内にもう1か寺で改正を予定」と報告。組坂委員長は「「障害者差別解消法」「ヘイトスピーチ解消法」に続いて「部落差別解消推進法」ができたのは、曹洞宗をはじめとした宗教教団の活動の礎があってこそ」と感謝をのべ、ネット上など差別の現状と「推進法」具体化に向けた協力を要請した。
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