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NEWS & 主張

地域共生社会実現へ~部落差別など解消は重要と
厚労省交渉

「解放新聞」(2017.10.23-2832)

 生活・福祉関係の厚生労働省交渉を10月5日午後、省内でおこない、中央生活福祉運動部の山﨑部長、谷川、松谷、植村の副部長をはじめ14都府県連から26人が参加。省は「地域力強化検討会最終とりまとめ〜地域共生社会の実現に向けた新たなステージへ〜」(9月12日)にもふれ、地域共生社会や地域福祉の理念の実現へ、部落差別などの解消は重要な課題、という認識を表明。改定「社会福祉法」の「地域住民等」が隣保館をふくむこと、「地域生活課題」が「部落差別の解消」をふくむことも確認した。

 「地域福祉(支援)計画」策定には、「障害者差別解消法」「ヘイトスピーチ解消法」「部落差別解消推進法」の、部落差別などの解消のための基本理念・施策の実施や、被差別当事者の意見の反映なども「当然ふくまれる」とし、「地域福祉計画づくりでも、この議論が周知徹底されるようにつとめたい」とした。

 「我が事・丸ごと」の地域福祉推進の理念実現への包括的な支援体制づくりに向けては、同盟から、排除や忌避など差別意識の障壁を取り除かないと部落や被差別者を素通りする、と強調。「推進法」「障害者差別解消法」「ヘイトスピーチ解消法」をふまえ、民生委員や社会福祉協議会職員への研修も求めた。

 「推進法」の実態調査は法務省を中心に準備、来年度に実施予定、と省は回答。行政データの活用や調査の実例を各地から示し、生活実態調査の必要性を求めて意見交換した。

 インターネット上の部落差別など、差別被害への隣保館での相談・支援には、伴走型での解決のしくみ、専門の相談員の育成、全隣保館への配置、を訴えた。東京と新潟からは、「特措法」時代に行政が「地区指定」しなかった「未指定地区」や事業未実施地区にたいし、「推進法」の「部落」は未指定地区をふくむ概念だと確認、事業が実施できるよう訴えた。隣保館と生活困窮者自立支援事業の連携、隣保館での職業紹介などについても意見交換した。

 厚労省からは、竹垣守・地域福祉課長をはじめ、関係者が出席した。


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