「解放新聞」(2017.11.20-2835)
【東京支局】 墨田区・すみだ北斎美術館で9月9日から10月20日までひらかれた企画展「大ダルマ制作200年記念 パフォーマー☆北斎〜江戸と名古屋を駆ける〜」で、古地図「名古屋城下図」(江戸時代の手書き絵図)に被差別部落を「穢多」と表記しているものがあり、墨田区が解説文を作成し展示をおこなった。
この展示では、部落解放同盟をはじめ関係団体と相談しながら、墨田区が新たな解説文を作成しており、都連は積極的に差別解消に努める墨田区の姿勢を高く評価している。
古地図につけられた解説文は、「本資料には、歴史的な記録をそのまま用いるため、一部に「穢多」との記載があります。江戸時代において、えた、ひにん等と呼ばれていた人々は、武具、馬具や多くの生活用品に必要な皮革を作る仕事や、地域の警備を行うなど生活に欠かせない役割を担っていましたが、生活のすべての面で厳しい制限を受け、差別されていました」と歴史と仕事を紹介。
そのうえで「明治4年(1871年)に「解放令」が政府から出され、身分制度は撤廃されることになりましたが、社会的な差別はさまざまな形で続き、「「えた、ひにん」等の語は、同和地区(被差別部落)の人々を差別する言葉として使われることがあり、当該地区やその住民に対する偏見や差別を助長する恐れがあります」と問題点を強調。
そして「墨田区は、人権尊重の普及啓発に積極的に取り組み、あらゆる差別の解消に努めております。作品は貴重な記録として展示しており、これらの表現を肯定・容認するものではありません。以上のことを御理解の上、御覧いただきますようお願いいたします」と区行政の立場を明らかにした。
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