「解放新聞」(2018.02.26-2848)
【千葉】 部落の記録保存運動がすすんでおり、昨年12月16日、酒々井町・千葉県人権センターで「語り継ぐことの研究会」(将門、上本佐倉両支部の住民と学者で組織)による聞き取り調査がおこなわれた。この日は現役をふくめ皮革関連の仕事をしてきた60〜80代の4人が苦労話などを披露した。聞きとりは埼玉大学名誉教授の福岡安則さんがあたった。
東京の皮革製造業や油脂業の職場で10代(1人だけ20代)から働きはじめ、住み込みの場合は朝4時、5時起きで一仕事してから朝食をとったという。また、豚革のなめしにともなうにおいが身体にしみ込み、電車通勤をしたさいには、においを理由に集団暴行を受け、ゲタでボコボコにされた体験談まで飛び出した。
部落解放運動が千葉県で組織的にはじまって40年という節目の年となった2016年。これまでの運動の成果となる資料の保存や記録の収集をおこなうため、12月23日に住民、研究者、教員などによって「千葉県部落の記録保存委員会」(福岡安則・委員長、16人)を結成した。
県人権センターが収集、保存してきた膨大な資料については、内容を再確認し、そのうちの一部はデータベース化して内容と所在を記録。佐倉市がおこなってきた啓発拠点整備検討委員会による関連資料の収集については、人権センターが資料を管理し、記録保存運動が継承。佐倉市が人権センターに委託した市内差別戒名墓石問題を中心とする部落問題の映像記録を実施し、今後の保存記録の一部とすることにした。
「語り継ぐことの研究会」の事業は、福岡さんをはじめとした社会学者グループが、ほぼ調査を完了。記録は音声保存され、いずれ文章化して保存される予定だ。
このほか、市原市の歴史調査、香取市の部落史調査をそれぞれ実施した。
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