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NEWS & 主張

憲法改悪、「戦争する国」づくり許さず
「推進法」、狭山再審など闘いの強化へ
第75回全国大会

「解放新聞」(2018.03.19-2851)

 部落解放同盟第75回全国大会を3月3、4日、東京・日本消防会館などでおこない、中央役員、代議員636人が出席、安倍政権による憲法改悪、「戦争する国」づくりへの策動と天皇制の強化を許さず、「部落差別解消推進法」の具体化と部落解放行政の推進、狭山再審闘争や差別糾弾闘争の強化に向けた運動方針を採択した。

とりくみを各地で積みあげ

 大会1日目は、松本副委員長の開会あいさつのあと、出席者全員で解放歌を斉唱。植村中執による水平社宣言朗読に続いて、議長団に橋本貴美男さん(兵庫)と中原サヲ江さん(徳島)を選出した。

 中央本部を代表して組坂委員長は、「都府県実行委員会をはじめ、各地の運動の成果によって実現した「推進法」制定から1年が経過した。具体化に向けた要請行動や行政交渉のとりくみを各地で積みあげていこう」と強調。また世界人権宣言から70年、反差別国際運動の結成から30年、さらに連帯・共闘の運動の先頭にたった上杉佐一郎・元委員長の生誕から100年の節目の年に、平和・人権・環境・民主主義の確立に向けたとりくみをすすめていこうとよびかけた。さらに、狭山再審闘争では下山鑑定、福江報告書などの新証拠で、石川一雄さんの無実は明らか。再審実現に向けて各地で学習会や情宣活動を強化するとともに、人権侵害救済法制定へのとりくみの前進も訴えた。

 来賓として、二階俊博・自民党幹事長(衆議院議員)、枝野幸男・立憲民主党代表(衆議院議員)、江田康幸・公明党同和対策等人権問題委員会委員長(衆議院議員)、大塚耕平・民進党代表(参議院議員)、大島敦・希望の党代表代行(衆議院議員)、片山大介・日本維新の会(参議院議員)、又市征治・社民党党首(参議院議員)、神津里季生・日本労働組合総連合会会長、増田光儀・部落解放中央共闘会議議長(日本郵政グループ労働組合中央執行委員長)、中西啓寶・部落解放・人権政策確立要求中央実行委員会会長(高野山真言宗管長、代読=佐々木基文・高野山真言宗社会人権局長)、中山武敏・狭山事件再審弁護団主任弁護人、中北龍太郎・狭山事件再審弁護団事務局長からそれぞれ連帯と激励のあいさつがあった。

 来賓紹介のあと、丸本千悟・大会運営委員長が大会の成立を報告。つづいて、石川一雄さん、早智子さんが狭山再審の実現に向けた支援を訴えた。

 報告事項として、一般活動報告を坂本副委員長、会計決算報告を赤井財務委員長、会計監査報告を篠原中央会計監査委員、中央規律委員会報告を西藤中央組織規律委員長がそれぞれおこなった。
 提案事項は、一般運動方針案を西島書記長、予算案を赤井財務委員長が提起した。また役員選挙に関する報告を岡田真悟・選挙管理委員長がおこなった。

 全体会終了後、日本消防会館と星陵会館で3つの分散会をもち、運動方針案についての討議とともに、中央執行委員会構成役員、中央組織規律委員会役員の信任投票をおこなった。

部落解放の大道を拓こうと

 大会2日目は、前日の分散会の報告が各議長からおこなわれ、全体討論では、福岡、奈良、広島、大阪、京都、兵庫の6代議員が発言をおこない、▽「推進法」の具体化と部落解放行政の推進▽隣保館を核とした人権のまちづくり運動▽青年層の実態把握と人材育成や組織強化▽狭山再審闘争▽男女平等社会実現基本方針にもとづいたとりくみ▽天皇制強化との闘い▽ヘイトスピーチ、差別排外主義との闘い▽仏教経典のなかの差別との闘いなどの課題が訴えられた。

 分散会での論議と全体討論を受けて、西島書記長が本部答弁と集約をおこない、中央本部の考え方などを示した。

新体制のもとに一致団結し

 その後、報告事項・提案事項のすべてを賛成多数で採択。岡田選挙管理委員長が、中央執行委員会構成役員、中央組織規律委員会委員長・副委員長の信任投票結果と、非選挙の中央委員会構成役員、中央組織規律委員を報告。組坂委員長が新執行部を代表して、新体制のもとで一致団結して、憲法改悪阻止の闘いを強め、戦争推進政策と対決していくと決意を表明。教科書無償化や就職差別撤廃、本人通知制度など人権確立に向けた部落解放運動の成果に誇りと自覚をもって部落解放の大道を切り拓こうと訴えた。

 大会スローガン確認のあと、片岡副委員長が大会宣言案を提案し、採択された。議長団退任に続き、北口副委員長の閉会のあいさつ、差別裁判うちくだこうを全員で合唱のあと、組坂委員長の団結がんばろうで大会を終えた。

第75・76期中央執行委員会構成役員
中央執行委員長 組坂 繁之 (福岡)
中央執行副委員長 北口 末広 (大阪)
松本  龍 (福岡)
片岡 明幸 (埼玉)
坂本 三郎 (兵庫)
中央書記長 西島 藤彦 (京都)
中央財務委員長 赤井 隆史 (大阪)
中央執行委員 安田 茂樹 (京都)
村井 康利 (大阪)
高橋  定 (大阪)
池田 清郎 (和歌山)
山﨑 鈴子 (愛知)
原  伸一 (福岡)
吉岡 正博 (福岡)
政平 智春 (広島)
大西  聡 (東京)
伊藤  満 (奈良)
松谷  操 (奈良)
和田 献一 (栃木)
田村 慎悟 (兵庫)
植村あけみ (兵庫)
歯朶山加代 (徳島)

*選管発表順
    

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