「解放新聞」(2018.04.09-2854)
【兵庫】 「義務教育確保法」をどう生かしていくかをテーマに神戸市・兵庫県学校厚生会館で2月12日、「夜間中学をひろげようin兵庫」がひらかれ150人が参加。坂本三郎・県連委員長はじめ県連からも参加があった。現在、厚木自主夜間中学などで講師をつとめる前川喜平・前文科次官が講演。丹波・篠山自主夜間中学について同校の松原薫さんが、姫路地域の夜間中学の必要性を尼崎市立琴城夜間中学の桜井克典さんが報告した。県内の公立夜間中学生・卒業生が在日コリアン、定住外国人、不登校経験者という三者三様の立場で、夜間中学での学びを通じ、自身がどう変わったかを語り、学び直せる場の重要性を訴えた。
前川さんは、憲法第26条が保障する教育を受ける権利を「学校教育法」でも保障されなかった人びとが「義務教育機会確保法」でカバーされると前置き。学習権は人権の中核にあり、憲法で国に、国籍を問わずすべての個人に無償の普通教育の提供を義務づけるべきだ、とのべた。30年以上も自主夜間中学にとりくむ埼玉・川口市内、千葉・松戸市内での公立夜間中学の来春開校方針も報告した。
県内の公立夜間中学は、尼崎市、県庁のある神戸市兵庫区、須磨区の3校で県西に偏る。内陸部の篠山で10年以上活動する松原さんは、地方都市では夜間中学の認知度も低く、学びを求める人は広範囲に点在するが通学は困難だ、と課題を指摘。桜井さんも、姫路市と周辺市で義務教育未就学者だけでも1000人以上、市内にはインドシナ難民などベトナムにルーツのある2500人が暮らし、日本語教室もひらかれていることなどから「夜間中学での学び」の必要性を広く伝え、姫路市内に公立夜間中学の開設を、とのべた。
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