「解放新聞」(2018.06.18-2863)
第2次再審請求を闘う袴田事件で6月11日午後、東京高裁第8刑事部(大島隆明・裁判長)が、静岡地裁の再審開始決定を不当にも取り消した。袴田巖さんのえん罪を明らかにする新証拠のDNA型鑑定については、鑑定人尋問のときに鑑定人に尋ねもしていない机上の理屈で信用できないと否定した。死刑と拘置の執行停止は維持した。弁護団は最高裁に特別抗告する。
再審請求人の袴田秀子さん(袴田巖さんの姉)は、最高裁の決定が出るまではひとまず巖さんの身柄が拘束されないことへの安堵を語るとともに「裁判所も検察もきちんと調べればわかる。真実を正しい目で調べていただきたい」と訴え、「(今回の決定が)悪く出てたしかに残念です。だけど50年間闘ってきました。これからもがんばっていきます」と決意を語った。
当日は、雨の東京高裁前に大勢の支援者が集まり、狭山事件の石川一雄さん夫妻や足利事件の菅家利和さん、布川事件の桜井昌司さん、志布志事件の川畑幸夫さん、東住吉事件の青木恵子さんもかけつけて激励。報告会は、弁護士会館でひらかれ、袴田秀子さん、西嶋勝彦・弁護団長をはじめ各弁護人が東京高裁の再審取り消し決定の誤り、問題点を厳しく批判した。議連や支援者、日弁連からの訴えもあった。
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