「解放新聞」(2018.07.09-2866)
大阪北部を震源とする最大震度6弱の地震発生から2週間が経過した。最大震度を観測した大阪府内の被差別部落では発生直後から単身居住の高齢者などをはじめとした安否確認に続き救援物資の配送などにとりくんだ。
高槻市の高槻富田支部では5階建ての住宅19棟中2棟の柱にヒビが入るなど被害を受け、20世帯以上の住人が富田老人福祉センターなどでの避難生活を続ける。また、地震後の雨の影響で傷んだ住宅の雨漏り被害や、夜間余震への不安から不眠状態が続く人もいる。被災した2棟の住居確保について市は住宅内の空き家を改装するなどして順次確保をおこなっていく予定。地域で福祉運動にとりくむタウンスペースWAKWAKは、避難者への昼食・夕食の無償提供を社会福祉法人つながりと協働し展開。また子どもの心のケアと家庭支援も相談員の個別訪問などをとおして包括的にとりくんでいる。
WAKWAK副代表理事で高槻市議会議員の岡井寿美代・府連副委員長は、「これまでのまちづくりの実践の積み重ねがなければ迅速な対応をとることは難しかった。まちは動いているがまだ日常でない。包括的な支援を続けていきたい」と語る。
茨木市の道祖本(さいのもと)支部では、集合住宅に被害はなくライフラインの障害もなかったが、個人宅の瓦屋根の落下や損壊など被害が多くあった。直後から豊川いのち・愛・ゆめセンターを拠点に安否確認、避難者の受け入れ、ふーどばんくOSAKAからの救援物資の配送を開始。初期避難時は和室の学習室が複数完備されていたことや、市と協定を結んでいた業者組合提供の段ボールベッド設置でプライバシーに配慮した生活が保障された。現在は屋根にブルーシートをかける作業などの応急修理や、罹災証明の手続きなど多様な作業がいまも続いている。一部損壊の被災では、国や自治体の支援対象にはならないため、工事もすすんでいない。車庫塀が倒壊する被害を受けた住人は「このままでは手がつけられないが、地域に相談できる人がいて心強い」と話してくれた。
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