「解放新聞」(2018.07.09-2866)
継続的に協議している住環境政策の課題を中心に、国土交通省交渉を5月22日に省内でおこない、住環境政策部の赤井部長、大西副部長はじめ16都府県連43人が参加。公営・改良住宅にかかわる実態把握と建て替えの課題や「部落差別解消推進法」にたいする省の姿勢について意見交換をおこなった。国交省からは、澁谷浩一・環境整備室長など関係課から15人が出席した。
交渉にあたりあいさつした赤井部長は、「老朽化している公営・改良住宅の建て替えは全国的な喫緊の課題。自治体財政が厳しいなか遅遅としてすすまない現状がある。これまでよりもそれぞれの地域の実情により踏み込む有意義な意見交換にしたい」とのべた。
省からは「部落差別解消推進法」施行後のとりくみとして職員650人が受講した研修で「推進法」についての学習がなされたとの報告。自治体での公営・改良住宅の建て替えにともなう省の予算についての概要説明があり、社会資本整備総合交付金とは別に、2017年度の地域居住機能再生推進事業の予算として270億円が計上されており、建設から30年以上が経過した公営住宅が対象など条件があるが、公的施設にかかわる整備の条件としては総合交付金よりも適用範囲が広く活用できるとの回答があった。
参加者からは、公営・改良住宅について入居者の大半が高齢者となり、自治が機能していない実態が各地で課題になっているが、行政交渉でも財政難を理由にまちづくりの再生が遅遅としてすすまない現状がある。一般対策への工夫の具体的な内容が課題であり、実態調査をふまえた自治体との連携が必要、など意見があがった。
赤井部長は「住環境整備についておもに建て替えの課題についてこれまで継続的に意見交換をしてきたが、地域の課題について省側のより具体的な実態把握を求めたい」と強調し、省側が集約した具体例、公営・改良住宅の現状をそれぞれ提示しながらの意見交換を提案、適宜実施していくことを確認した。
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