「解放新聞」(2018.09.24-2876)
【香川支局】 県内8市で構成する香川県市長会(会長=綾宏・坂出市長)がまとめた要望書「人権擁護に関する施策の推進について」が、6月4日から2日間にわたって東京でひらかれた全国市長会(会長=立谷秀清・福島県相馬市長)に提出され、原案通り可決、国にたいして要望がおこなわれた。
この要望書は、4月25日に高松市でひらかれた県市長会の会議で坂出市が提出。原案通り可決し、5月17日に徳島県三好市でひらかれた四国市長会(会長=大西秀人・高松市長)の会議でも可決、全国市長会に提出された。
要望書は、つぎの通り。
①人権教育及び人権啓発に関する施策を推進するとともに、情報化の進展に伴って拡大しているインターネットを利用した差別表現の流布等、様々な人権に関わる不当な差別や人権侵犯事案に対応するため、実効性のある人権侵害救済制度を確立するとともに具体的施策を講じること。
②「推進法」に関する国の施策である相談体制の充実、教育・啓発を推進させること。また、同法第5条に規定された国と地方公共団体の役割分担の考え方、同法第6条に規定された部落差別の実態に係る調査の内容、手法、スケジュールを明らかにし、早期に実施すること。
③「推進法」は理念法であることから、相談を受けた法務局が人権侵犯事件と判断した場合の被害者救済措置は、法務局が援助、勧告、告発等を行うこととなっているものの強制力はなく、最終的には被害者が民事訴訟を行うことになるが、時間、費用等、現実的には難しいのが現状である。ついては、部落差別禁止及び被害者の救済に関する法律を制定すること。
綾会長は「「推進法」施行から1年半以上経過しても、国は具体化に向け施策を講じようとしない。地方自治体として、早急に施策を講じるよう要望書を提出した。国が動くまで要望をつづけたい」と意気込みを語った。
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