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逃散一揆を学ぶ〜森高花地区解放学習会
大分

「解放新聞」(2018.10.22-2880)

 【大分支局】 森高花地区解放学習会(大分県宇佐市)は9月23日、杵築(きつき)市で「浅黄半襟掛け拒否逃散一揆」のフィールドワークをおこなった。参加者は高校生5人、中学生1人、大人30人(支部員や教職員)。昨年の長浜フィールドワーク(高知県の教科書無償の闘いの地)に続くとりくみ。

 当日は、まず杵築隣保館で学習会にとりくみ、杵築史談会の久米忠臣・会長が、この一揆について説明した。1805年6月に杵築藩が「被差別民衆は衣類の上着には浅黄色(晴れた空の色)の半襟をかけること」としたため、これに抵抗してムラの住民360人のうち169人が島原領の飛び地(今の大分県豊後高田市)へ旧暦9月(今の11月)に逃散した。

 杵築藩は幕府に知られて「住民の管理ができていない」としておとがめを受けることを恐れ、「この逃散は、なかったことにする。処罰無し。浅黄半襟掛けもしなくてよい」とした。

 一揆のコースには、波多方峠という杵築藩を見おろせる場所がある。家族を残した被差別民衆は、どんな思いでこの峠を越えたのだろうかと思いをはせながらフィールドワークをおこなった。

 子どもたちは、「昔の人はすごいな」「歴史が嫌いだったけど、すこしは理解できた」「当時の人びとは険しい道を、命をかけて自由を求めてすすみ、すごいと思った」「逃げる道がとてもすごい道で、とても苦労していったんだなと思った」「城下町の古い建物のなかで昔の家の構造を勉強でき、その時代の人びとの暮らしを理解することができた」「実際の場所で話が聞けてよかった」と感想を残した。

 

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