「解放新聞」(2018.11.19-2883)
【奈良支局】 県連は11月21〜23日の3日間、御所市人権センターで「第34回架け橋美術展」をひらく。架け橋長島・奈良を結ぶ会と共催で、同美術展はハンセン病の後遺症によるさまざまな身体の不自由さや困難を乗り越え、人間らしく生きることを追求するなかで制作された美術作品を広く伝えながら、ハンセン病問題の正しい知識と理解を深めてもらうことが目的。
美術展開催に向け、県連では10月18日、御所市人権センターで学習会をもち、ハンセン病関西退所者原告団いちょうの会の手嶋敬一・副会長が「国賠訴訟原告というかけがえのない経験」をテーマに講演。同盟員、結ぶ会の関係者、行政関係者、教職員、市民ら50人が参加した。
手嶋さんは、ハンセン病の症状や後遺症、「らい予防法」制定の背景などを話し、法律廃止後の生活や厳しく残る差別の現実、その差別への不安や国賠訴訟に加わった経緯などを説明した。国賠訴訟によって国の政策が明らかに憲法違反と示されたことに「判決まではハンセン病を隠して生きてきたが、判決以降はカミングアウトできるようになった。顔をあげて歩けるようになった」と手嶋さんは胸の内を語った。
学習会の冒頭、結ぶ会の稲葉耕一・会長は「回復者の方への差別や偏見はハンセン病問題の解決の促進に関する法律ができたからといってなくなってはいない。さまざまなとりくみによって少しずつ理解がすすんでいく。ハンセン病であったといっても何も不利益を被らない、普通に暮らせる世のなかをつくりたい。学習会をとおして正しいハンセン病問題解決を推進していく一人になってほしい」とあいさつ。県連の伊藤満・書記長も主催者あいさつをした。
第34回架け橋美術展は期間が11月21日(水)〜23日(金)午前10時〜午後4時30分(最終日は午後2時まで)。会場は御所市人権センター1階体育室(御所市大字柏原235番地)。入場無料。問い合わせ先=電話0742(64)1631 奈良県連。
同センターに隣接する水平社博物館の特別展示室でも、13日から作品を展示。23日まで。21日から23日までの3日間は水平社博物館の入館料は無料。
御所市人権センター 11月21〜23日
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