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主張

 

全国ブロック別中央学校での学習の成果をふまえ、
男女平等社会推進のとりくみをすすめよう

「解放新聞」(2018.12.17-2887)

 部落解放同盟では、第58回全国大会(2001年)で、男女平等社会の実現に向けた運動の活性化に向け、「男女共同参画基本方針」を採択するとともに、男女共同参画プロジェクトの設置を決定した。また、第65回全国大会(2008年)で、国内外の動向をふまえ、この「男女共同参画基本方針」の名称や「基本方針」の内容をふくめて議論し、「男女平等社会実現基本方針(改訂版)」を採択した。

 さらに、男女平等社会実現に向けたとりくみを強化していくために、2015年に、第72期第1回男女平等社会推進本部会議を開催し、女性をめぐる今日の情況などをふまえ、「基本方針(改訂版)」にある組織内目標をはじめ、課題をよりいっそう明確にしていくことを確認した。とくに、「基本方針」の改訂に向けて、専門部会を設置し、具体的なとりくみ内容や、組織内目標などについて見直しの議論をすすめ、「男女平等社会実現基本方針(第2次改訂版)」案をまとめ、第73回全国大会(2016年)で採択決定した。この「第2次改訂版」には、自治体での条例づくりをすすめるなど具体的な6つのとりくみや、12点の組織内目標を掲げている。また、10年ごとに見直しをおこない、中間年での検証をおこなうこととしている。

 組織内目標の一つである全国大会での女性代議員3割以上の参加の実現に向けたとりくみは、都府県連の努力もあり、第71回(2014年)全国大会以降、3割以上の女性代議員の参画目標を達成しているが、今後とも、すべての組織内目標の達成に向けて運動を展開していかなければならない。

 推進本部では、「男女平等社会実現基本方針(第2次改訂版)」をスタートした第73期(2016年)に、各都府県連に男女平等社会推進本部や相談窓口の設置がされているのか、「男女平等社会実現基本方針(第2次改訂版)」を使って学習会を開催しているのかなど、12項目の簡単なアンケート調査を実施した。アンケート調査の結果は、6都府県連ですでに男女平等社会推進本部が立ちあげられ、8都府県連で相談窓口が設置されていた。また、9都府県連で「男女平等社会実現基本方針(第2次改訂版)」の学習会が実施されていた。

 さらに、2017年の4月=cd=c1226月上旬にかけておこなわれた全国ブロック別支部長研修会のなかで、「男女平等社会実現基本方針(第2次改訂版)」についての学習会を実施し、6月には、第1回男女平等社会実現をめざす学習会をおこなった。学習会では、東京・京都・奈良・和歌山・大阪・広島から、推進本部の体制や基本認識、具体的なとりくみなどの報告と、グループ別討議をおこなった。そのなかで男性の参加者が少ない、部落女性の権利が守られていないのではないか、セクシャルハラスメントについての学習もおこなっていかなければない、などの意見が出された。これらの意見を受け、今後も議論を深めていかなければならない。

 今年開催された全国ブロック別中央解放学校では、「部落差別解消推進法」具体化の課題、狭山第3次再審の現状と展望、男女平等社会実現に向けた「基本方針(第2次改訂版)」の内容とともに、セクシャルハラスメント・パワーハラスメントについての学習をおこない、33都府県連から553人が研修会に参加した。また、広島県連では、「男女平等社会の実現は組織内から、具体的な数字を示すことで家庭の中からの男女平等の実現を考えていこう」という趣旨のもと、県連と地協の役員を対象に「家事分担実態調査」が実施され、大阪府連では2008年に「セクシャルハラスメント等対策委員会」を立ちあげており、セクシャルハラスメントについての基礎知識についての学習会やアンケート調査、DV(ドメスティックバイオレンス=配偶者や親しい関係にある人からの暴力)についての学習会をおこなうなど、積極的なとりくみも報告されている。

 さらに、今年の5月12、13日に和歌山県で開催した部落解放第63回全国女性集会では、「福田淳一・前財務省事務次官によるセクシャルハラスメント、麻生太郎・財務大臣ならびに財務省の対応に対する抗議」と「公益財団法人日本相撲協会に対する抗議と申し入れ」をおこなうことを決定し、送付した。

 また、「基本方針(第2次改訂版)」でとりくむとした11月の「女性に対する暴力をなくす運動月間」には、解放新聞中央版に「女性に対する暴力を許さない、暴力根絶に向けた意識喚起を」との記事を掲載した。

 以上のように推進本部では、「基本方針(第2次改訂版)」採択後、積極的なとりくみをすすめてきたが、今後とも継続したとりくみが必要である。男女平等の組織づくりに向けて課題は山積している。まずは、継続した学習会などによって組織内で、何が「女性差別か」を見抜く力を育まなければならない。

 部落解放運動の生命線ともいえる糾弾闘争は、「なにが部落差別か」を理論的に整理し、差別性や問題点、その背景などを社会に訴え、その改善に向けた施策を実現してきた。同じように、この間の推進本部での論議では、部落の女性が、子どもを安心して出産できないという実態を部落差別としてのみとらえていたが、実は女性への権利侵害であり、厳しい部落差別と相まって社会の矛盾が部落の女性に集中的にあらわれていることが明らかにされてきた。部落差別に包括され、女性差別が見えにくくなっていたのであるが、これこそがまさに部落女性の複合差別であることを理論的に整理してきた。部落解放同盟は地域を基盤として運動を展開している。部落の完全解放をめざすためには、人権を軸とした地域コミュニティの発展と、女性差別の撤廃は不可欠である。

 今日、日本社会のなかに「男は仕事、女は家事・育児・介護」「男は強く、たくましく、女はやさしく、かわいく」といった「既存の規範」ともいえる意識が根強くある。この意識を「新たな規範」につくり変えていかなくてはならない。「既存の規範」はすべての人を生きづらくしている。

 部落解放同盟は「なにが女性差別なのか」を社会性をもって説明できるよう、今後も継続した学習活動をおこなっていかなければならない。そのためにも、相談窓口の設置とそのための人材育成は重要な課題である。さらに、女性を意思決定機関に参画できるように、ポジティブアクション(積極的差別是正措置)を組織のなかに取り入れていかなければならない。部落解放同盟としていままでも役員への登用や、全国大会や中央委員会など、政策決定機能をもつ機関会議への女性の参画に向けてとりくみをおこなってきた。一定の成果を得ることはできたが、さらに女性の参画を促すには、組織の変革といっそうの同盟員の意識改革が必要である。

 また、今後の課題として障害者や性自認、性的指向の違いによるセクシャルマイノリティの課題にもとりくんでいかなければならない。

 「基本方針(第2次改訂版)」のなかにある具体的な課題へのとりくみを、一つひとつ確実に積みあげ、差別のない人権確立社会をめざす部落解放同盟にとって、男女平等の組織づくりは喫緊の課題であることを全同盟員で確認し、各都府県連で推進本部を立ちあげ、いっそうのとりくみをおこなっていこう。

 

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