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NEWS & 主張

姫路市内に公立夜中を〜学習体験者らも登壇し訴え
夜間中学セミナー

「解放新聞」(2019.01.21-2891)

講演した前川喜平さん(2018年11月24日・姫路市)

講演した前川喜平さん(2018年11月24日・姫路市)

 【兵庫】 神戸市で昨年2月にひらかれた夜間中学セミナーの第2回が「夜間中学をひろげよう ㏌ 姫路」と題して昨年11月24日午前、姫路市市民会館大ホールでひらかれ、320人をこえる参加者のなかには坂本副委員長の姿もあった。実行委員会の主催。

 主催者あいさつで姫路市元小学校校長の原田貞雄・実行委員長が、学齢期に学校で学べなかった人、戦後混乱期に学校で学べないまま豊かな戦後を築いてきた人びと、来日外国人らのために、播磨地域での夜間中学設立を後押しする法律ができた、とのべた。姫路市の現職教諭の金川香雪さんが、ベトナムなど外国にルーツのある子どもたちが日本の学校で苦労し、高校に進学できなかったり命を絶ったりする現実から、姫路に夜間中学があればと思い続けて10年経った、とあいさつ。尼崎市成良中学校琴城分校教諭の桜井克典さんが、公立夜間中学の制度、兵庫県内には神戸市に2校と尼崎市に1校しかない現状を解説。

 体験発表で登壇した2人の女性のうち、1人はベトナム出身で、通学しながら姫路市内の補習教室に通い続けて看護師になる夢をかなえたトラン ティ トゥ チャンさん。親の経済的支援を得られずにつらいこともあり、家族を養うために高校進学を諦めて働いていた姉を踏み台にしたようで素直に喜べないとも。夜間中学があれば働きながら学べたし、外国人も夢をもてる未来に希望がもてる姫路にと訴えた。

 2人目は、62歳で神戸市の夜間中学に入り、定時制の湊川高校にも進学した姫路市在住の村上玉子さん。物心ついた頃に両親はなく子守りをしながら他人の家を転転とし、体を動かし耳で聞いて覚えながら働いてきた。定年後、介護や孫の子守りをして、夜間中学ではじめて学んだ喜び、学び続けたい思いを語った。

 元文科次官の前川喜平さんが、義務教育機会確保法、夜間中学をめぐる各地の現状について講演した。

 

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