「解放新聞」(2019.04.15-2903)
【京都支局】 3月9日、京都市内でヘイトデモが強行された。京都府警は護衛して好き放題にヘイトスピーチをやらせ、あげくのはてには機動隊の輸送バスで送り届けるというサービスまでおこなった。
「ヘイトスピーチ解消法」が施行されて3年近くたった。京都では予告のあったヘイトデモには、その数倍の数のカウンター(抗議をおこなう人)が集まり包囲するため、ゲリラ的に強行されたヘイトデモも2年前が最後だった。
ところが今回は、京都朝鮮第一初級学校襲撃事件の「10周年記念」と称し、「デモを複数回行う」として、その第一弾を3月9日に強行した。
参加者は、たった4人。街宣車に3人乗り、歩いたのは襲撃事件に加わり執行猶予付き懲役刑を受け、水平社博物館前差別発言事件もひきおこした人物1人だけ。それを200人の機動隊が守り、100人をこすカウンターが抗議した。
出発地の円山公園には、デモを阻止しようとカウンターが詰めかけ、関西初のシットイン(路上に寝転んでの抗議)もおこなわれたが、機動隊に強制排除され、歩道柵にたたきつけられた。
手をつないだ機動隊の人垣のなかで「朝鮮人は半島に帰れ」などとハンドマイクで叫び、法務省が例示するヘイトスピーチそのものだが、警察は勧告さえしない。官許のヘイトデモそのものだった。京都市役所前に着くと機動隊の輸送車に乗せ、送り届けることまでしている。いたれりつくせりである。
「ヘイトスピーチ解消法」を無視する京都府警の対応は、3月12日の参議院法務委員会で追及がおこなわれた。
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