「解放新聞」(2019.06.24-2912)
【神奈川支局】 神奈川部落史研究会(川村善二郎・会長)は4月27日、横浜市健康福祉総合センターで11回総会をひらき、今年度の活動計画では横須賀市民講座の継続やブックレット3号の発行などを決めた。
総会記念講演は、東日本部落解放研究所事務局長の吉田勉さんが「権利=人権としての地名・人名表記という視点―インターネット時代のカミングアウトとアウティング―」をテーマにおこなった。鳥取ループ・示現舎による「全国部落調査」復刻版出版事件で裁判になっていることや、国立の大学や博物館などの古地図のアーカイブ化のなかで、さまざまな絵地図がインターネット上にアップされ、そこでは問題意識なしに改ざんや地名を消してしまうことがおこなわれている実態があることを問題提起した。部落であることを名乗っても差別されない社会をつくっていくことを前提に、解放運動の前進にとって何が良いことなのか議論したい考えを示した。
カミングアウトする権利もあれば、隠す権利もあり、アウティングを許さない権利もある。長期的な展望のもと、この3つの権利をめぐる問題をマイノリティへの人権侵害を許さないという社会的な合意とあわせ、必要ならば社会的な処罰が可能な社会をつくっていかなければならないことまでふくむ議論が求められている。
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