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平和と反差別を訴え部落解放文学賞に応募しよう

「解放新聞」(2019.06.24-2912)

 軍備増強路線を突きすすむ日本の2019年度防衛費は過去最高の5・3兆円を計上、7月の参議院選挙で自民党は9条をふくむ改憲を重要争点にするという。「推進法」施行後、中央本部や各都府県連の削除要請にもかかわらず、鳥取ループ・示現舎によるネット上の「部落探訪」は更新され続けている。

 平和と人権が損なわれる、こうした状況で今年、部落解放文学賞は第46回を数える。昨年10月末までの第45回には、識字部門25編、記録・表現部門8編、詩部門43編、小説部門11編、児童文学部門7編、戯曲部門5編、評論部門3編、総数102編の作品が寄せられた。第一次選考と最終選考をへて、入選7編、佳作7編を決定、7月20日にその表彰式がおこなわれる。

 17年前の同和対策事業に関する時限立法失効後、農村部や山間部では若者が働き口を求めたり、田舎での暮らしに不安を抱き、都市部へと流出する傾向がさらに強まっている。大阪市の市民交流センターをはじめ、識字学級がおこなわれてきた隣保館の閉館や廃止の動きもある。そうしたなかでも高齢者を中心に、また、外国人を受け入れるなど新たな方向も模索しながら、各地で識字学級が地道に続けられてきた。

 他方、2016年「義務教育機会確保法」の制定(17年に完全施行)で、公立夜間中学を各都道府県に1校は設立するとの政策も打ち出され、この4月に埼玉県川口市や千葉県松戸市で各1校が新設された。アンバランスな状況ではあるが、生きていくうえで教育が重要なものであることを部落解放運動は一貫して訴えてきたことを確認したい。

 部落解放文学賞は、文学が高い教育を受けた者の特権では決してなく、生活と密着した生活感あふれるもの、そして差別の残酷な歴史や事実を語るものであり、そのなかを生き抜いてきたことを語ることで人間の尊厳を照らすものである、という考えのもとに発足した。プロレタリア文学が、それまでの抽象的概念の文学だけではなく、労働者の厳しい現実を見据えるものとして認められるにいたったその経緯とも通じるものであると考える。

 最近の政治や社会情勢について思うこと、自身が経験した苦しいこと、悲しいこと、それらをとおしてこそ感じられた喜びや感動を文字に綴り、後世に残していくものとして、部落解放文学賞は今後も部落解放運動の大切なとりくみの一つであり続ける。

 第45回の表彰式を7月20日に控え、第46回部落解放文学賞への作品募集がすでにはじまっている。先にのべたように、素直な感覚で命の尊さや人権・平和への思いを綴り、ぜひ応募してほしい。

 元来、文化や芸能を担ってきた先輩たちに学び、文化や文学をわれらのものとしよう。

昨年の第44回部落解放文学賞表彰式で受賞者と選者が記念写真に収まった(2018年7月22日・大阪市)

昨年の第44回部落解放文学賞表彰式で受賞者と選者が記念写真に収まった(2018年7月22日・大阪市)

 

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