「解放新聞」(2019.09.02-2921)
【神奈川支局】 神奈川部落史研究会は5月18日、川崎市桜本でフィールドワークをおこない、15人が参加した。
韓国・朝鮮人を主とする在日外国人と日本人が相互にふれあい共生をめざす全国初の施設と川崎市から位置づけられた川崎市ふれあい館で、最近まで館長を務めていた三浦知人さん(館の運営を市から受託している社会福祉法人青丘社事務局長)が「川崎南部在日コリアン集住地域の形成史」と題して講演。
三浦さんは「名所旧跡はないけれど、そこに生きる人たちは、差別、戦争の時代を大変な労働で生き抜いてきた無形文化財。中身の濃い現代史を抱えるまちだ」と強調。そのうえで、桜本のある川崎区は川崎市のなかでも、とりわけ戦争とともに成立してきたまちで、富国強兵政策のなかで工場が誘致され、それぞれの地域で食べられない人たちがやってきて形成された。だから、さまざまな地域文化、民族文化・民俗文化を背景にもった多文化・多様性のまちであり、それがまちの財産。
また、戦争に痛めつけられたまちであるが、戦争政策を下支えしたまちでもあり、戦争産業を支え、朝鮮戦争に加担してきた歴史もある。だからこそわがまちから差別も戦争もないまちをつくろうという発信をすることが、具体的な地域の歴史とともに語られることによって一定の説得力も、もつと語った。
講演のあと、三浦さんの案内で地域をめぐり、川崎朝鮮初級学校も訪れた。
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