「解放新聞」(2019.09.02-2921)
【東京支局】 公正採用選考の確立と就労の安定を求め、都連は7月26日、東京労働局交渉をおこなったほか、6月12日にひらかれた就職差別解消シンポジウム(主催・東京都産業労働局、東京労働局、共催として文京区)に協力して参加した。
交渉には、都連から松島幸洋・副委員長(労働対策部長)らが出席、東京労働局からは古宮善彦・職業対策課長らが出席した。要請書を手渡したあと、近藤登志一・書記長が趣旨説明をおこなった。
要請にたいして東京労働局は「企業が採用選考面接のさいに使用することを目的とした公正採用選考のチラシについては都内すべてのハローワークにデータを送付しており、すでに活用されている。また、雇用主研修や公正採用選考人権啓発推進員研修等においては、主担次長からの職員説明のなかで、チラシの活用方法について説明したうえで配布しているところ。さらにチラシのなかに厚労省が作成した公正採用選考に関する解説動画にアクセスできるQRコードを追加する件についてはチラシのレイアウトなどについても考慮しながら今後、検討したい」と回答した。
都連からは募集情報提供事業者の公正採用選考に関する苦情窓口の整備や、労働者派遣事業・職業紹介事業者等で採用時に求職者を囲い込むためにおこなわれている「オヤカク(親確)」(求職者の親への確認)問題についても問題提起をした。
シンポジウムは、都連が実行委員となっている就職差別撤廃東京実行委員会(炭谷茂・実行委員長)が特別賛同団体として協力したもので、集会には1500人が参加した。
「公正採用選考の現状と課題〜就職差別解消促進20年の原点に立って〜職安法5条の4の背景を考える」をテーマにひらかれた集会では、炭谷委員長が「就職差別の完全な撤廃を求めて〜就職差別撤廃東京集会実行委員会の活動」をテーマに基調講演をおこなった。実行委員会のとりくみと経緯、部落問題と就職差別撤廃の課題、人権の確立とソーシャルインクルージョン(社会的包摂)推進の意義などを語った。
1998年に発覚した差別身元調査事件を契機に、東京都では6月を就職差別解消促進月間とし、企業啓発と都民啓発をおこなってきた。就職差別撤廃東京集会実行委員会(2018年に就職差別撤廃東京実行委員会に改称)も2018年6月までに19回の集会をひらいてきたが、20回を契機に就職差別解消シンポジウムに協力することで、都内の企業と都民に、より広範な理解を広げようととりくんだ。
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