「解放新聞」(2019.09.16-2923)
「あらゆる人の生命の尊さゆえに「たとえ人を殺めた者に対する刑罰であっても、その生命を奪ってはならない」」(「ご挨拶」から)。人間の尊厳を高く掲げ、8月31日午後、「死刑をなくそう市民会議」は東京・明治大学リバティホールで設立集会をひらき、350人が参加、部落解放同盟からも参加した。
同会議は、多くの人が「呼びかけ人」となり、6月1日に発足したもの。組坂委員長も「呼びかけ人」。部落解放同盟も設立集会を後援した。狭山事件の石川早智子さんも会場にかけつけた。
8人の共同代表世話人のひとり、平岡秀夫・弁護士(第88代法務大臣)は「死刑制度に疑問を持っている方がたに積極的に情報提供し、議論し、この場を通じて、すべての人たちの命を大切にする、死刑のない民主主義社会をできるだけ早く実現したい」と開会の辞。死刑をめぐる法相時代の経験も紹介し「日本でも死刑は廃止されなければならないし、いつかかならず廃止される」と語った。
死刑廃止の目標に2020年を掲げた「福井宣言」(16年)をした日弁連からは、菊地裕太郎・会長が来賓あいさつ。「道のりは険しいが、活動の輪が着実に広がっていると実感する」とのべ、決意を語った。
中本和洋・日弁連前会長の講演「私と死刑問題」に続き、米国の状況に詳しい新聞記者や事故で子を失った被害者、宗教者らがシンポジウム。国連メッセージ紹介や神田香織さんの講談も挟み、作家の中山千夏さんらが鼎談した。菊田幸一・共同代表世話人が総括と展望を語り閉会した。
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