「解放新聞」(2019.10.07-2925)
【福井、近畿・東海・北陸ブロック編集協力員】曹洞宗被差別戒名物故者追善供養法会が9月17日、福井県の曹洞宗大本山永平寺でおこなわれ、部落解放同盟も組坂委員長をはじめ各地から参加した。福山諦法・永平寺貫首のもと、法要がとりおこなわれ、焼香した。
法要後の講演会で、永平寺の小林昌道・監院は「原点にかえり、曹洞宗の僧侶がおこなった間違ったおこないを反省し、差別事象解消にとりくむ決意をあらたにする大事な機会」と表明。「いっさいの差別を許さない。初心に戻り、一人ひとりの人権が尊重された人間らしく生きることのできる社会の実現にとりくむ」と決意を語った。
曹洞宗人権擁護推進本部からは、鬼生田俊英・本部長のメッセージが代読された。「曹洞宗は1979年、第3回世界宗教者平和会議での日本に部落差別は存在しないという差別発言をきっかけに、部落差別をはじめとした差別解消に向けたとりくみを40年おこなってきた」と語り、人権推進本部設置いらい、最重要課題として差別戒名の改正、身元調査おことわり運動などを展開し、部落差別の解消をはじめ、あらゆる人間の尊厳を守るとりくみを推進してきた、と報告。しかし、宗門全体に徹底されていない現状があり、これまでの「過去帳」開示の問題を糧に、宗門の人権尊重の教えにもとづき、寺院「過去帳」の適切な管理を周知徹底する、と決意を語った。
講演は組坂委員長がおこない、「世界125か国で人権委員会ができているのに日本にできていないのが恥ずかしい。来年のオリンピックを契機に人権委員会を」と訴え、差別禁止法や人権侵害救済法など、差別解消に向けたとりくみに、曹洞宗の力添えをいただきたい、と協力を要請した。
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