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NEWS & 主張

地方共闘が全国交流会〜人間らしい生活が出来る社会を求め
埼玉

「解放新聞」(2019.12.09-2934)

「差別の現実から深く学び、生活を高め、未来を保障する教育を確立しよう」を大会テーマに1万1000人が参加(11月30日・三重県津市)

石川一雄さん・石川早智子さん夫妻も登壇して狭山再審闘争にたいする支援を訴えた(10月18日・埼玉県川越市)

 【埼玉支局】 「部落解放共闘第36回全国交流会・部落解放地方共闘全国連絡会議第36回総会」が11月18日、埼玉県川越市内でひらかれ、全国から6中央団体、20府県共闘、72人が参加した。

 全国交流会では組坂繁之・議長があいさつ。「世界の8人の資産と、2億人を超える労働者の資産額が同じ。とんでもない富の分配を是正しなければならない」とのべたうえで、「人間らしい生活ができる社会でなければ人権も守ることはできない。このことをしっかり認識し、闘う必要がある」と強調した。

 連合の山根木晴久・総合組織局長は、人権侵害救済法制定へのとりくみをはじめ、2007年の非正規労働センター設立や、採用選考に関する実態調査、人権フォーラムなどの活動を紹介したうえで、「いまだに採用選考で戸籍謄本の提出を求める企業がある」、「誰もがフェアな関係のなかで多様性を認め、人権を保障できる職場をつくることが、日本から差別をなくすという目標の実現に繋がる」とのべた。開催地を代表して、近藤嘉・連合埼玉会長と片岡明幸・県連委員長があいさつ。石川一雄さん・石川早智子さんが狭山再審闘争への支援を訴えた。早智子さんは、「同学年の3人が銀行に履歴書を出したが、私にだけ受験番号が届かないという就職差別を受けた」と自身の就職差別の経験をのべたうえで、職場での差別撤廃の必要性を訴えた。このあと、「武州鼻緒騒動〜差別に立ち向かった人びと〜」を視聴した。

 地方共闘全国連絡会議第36回総会では、部落解放・人権政策確立運動、雇用差別撤廃のための法整備、狭山再審闘争、人権教育・啓発の推進、就職差別撤廃月間や人権週間などを柱とし、全国的な活動や中央行動にとりくむなどの活動方針を拍手で採択した。

 翌19日には狭山市内で講演会をひらき、「狭山事件のいま〜下山鑑定を中心に〜」と題して、狭山事件再審弁護団の高橋俊彦・弁護士が講演、その後、狭山現地調査をおこなった。高橋弁護士は、下山第2鑑定にもちいた機材や、蛍光X線分析などを解説したうえで、「下山第2鑑定について大切なのは、誰が同じ実験をおこなっても同じ結果になる再現性があること。鑑定人の作為が入り込む余地はなく、検察官が実験をおこなったとしても同じ結果にしかならない」と指摘。「下山第2鑑定提出から1年以上が経っているにもかかわらず、いまだ検察官は反証の見通しがたっていないが、反証が出されれば再反証したい」とのべた。

 

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