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NEWS & 主張

金沢市・石川県などと行政交渉
北陸

「解放新聞」(2020.02.10-2942)

戸籍でプライバシー守る視点を金沢市には求める

 【北陸支局】 部落解放同盟は2019年11月19日に金沢市、20日に石川県、石川労働局と行政交渉をおこなった。金沢市交渉は市庁舎内の会議室でおこない、部落解放同盟からは池田、高橋の両中執ら4人、市側からは相川一郎・副市長ら14人が出席した。

 ①「推進法」制定後の施策の特徴②「人権教育・啓発行動計画」の改訂と人権条例の制定③ネット上の差別情報への対応④被差別部落の問い合わせ問題⑤人権・同和行政関係予算⑥部落問題にかかわる教育実践⑦本人通知制度などがとりあげられた。

 教育の充実では各学校に新たなDVD教材を配布しているが、授業での活用状況の説明ができず、状況把握に課題があることが明らかになった。相談体制の充実では人権擁護委員を対象に部落問題の研修機会を設けている。人権条例には消極的な回答だった。戸籍の不正取得で現行の被害告知型から事前登録型への変更については曖昧な説明に終始したため、部落解放同盟からは「市民のプライバシーを守る視点で検討を」と重ねて要請した。

研修の内容で前向きの検討を石川県に求めた

 石川県との行政交渉は県庁内の会議室でおこない、部落解放同盟からは池田、高橋、安田の各中執ら5人、県側からは吉住秀夫・総務部長、臼井晴基・教育次長ら12人が出席した。

 従来の調査結果としていた「特徴と分析」の一部が実質的に誤っていたことを初めて認めた。そのうえで県作成の啓発冊子では「結婚する場合などでの対応で、被差別部落やその出身者への忌避意識が依然として存在」などと書きあらためたことが報告された。

 県が検討すると回答していた職場での人権推進委員の設置については、「もう少し検討する」と回答したため、前向きの検討をふたたび求めた。「人権教育・啓発行動計画」改訂や人権条例には、県は否定的だったり消極的な姿勢だったが、継続的なテーマとすることになった。モニタリングの実施は「よく検討したい」とした。

公正採用選考の違反で所長が出向き7社指導

 石川労働局との交渉は駅西合同庁舎の会議室でおこなわれ、労働局からは宮崎栄一郎・職業安定課長ら3人が出席した。

 ①「公正採用選考人権啓発推進員」の設置状況・未設置事業所への指導②違反事業所の状況③県外から報告があった不適正事案をとりあげた。

 未設置の多い業種は製造業、医療、福祉、卸売業、小売業。今後も設置勧奨に努めると説明。2018年度(2019年3月卒業)の違反事業所数は37社(県外4社)。各職安が指導訪問し、7社は所長が出向き指導したと説明。また、県内の違反33社のうち27社は推進員を設置していた。違反内容は家族の職業や構成を質問したものがほとんどだった。

 

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