「解放新聞」(2020.02.17-2943)
【和歌山】 第20回和歌山・人権啓発研究集会が1月30日、和歌山市・和歌山県JAビルでひらかれ、185人が参加した。主催は第20回和歌山・人権啓発研究集会実行委員会(委員長=野口道彦・和歌山人権研究所理事長)。
「平和・解放・共存」をテーマに掲げた研究集会では、3月20日に没後50年を迎える西光万吉さんに焦点をあわせ、シンポジウム「西光万吉と和栄政策について」をおこない、「西光万吉先生没後50年記念冊子を作成し、思うこと」をテーマに小田直寿さん(和歌山人権研究所研究員)が報告したほか、「西光万吉先生50年を迎えて我々が今学ぶべきこと」をテーマに、加藤昌彦さん(西光万吉顕彰会代表理事)、日野範之さん(菩提樹庵(真宗大谷派)住職)、小笠原正仁さん(和歌山人権研究所理事)の3人が鼎談(ていだん)をおこなった。
戦後、和歌山県に移り住んだ西光さんは、再軍備の自衛隊に反対し、和栄隊による国際貢献を提唱。部落解放運動の一線からは遠のいたものの、衆議院議員(社会党)で部落解放同盟の中央書記長(和歌山県連委員長)だった田中織之進さんと行動をともにして「和栄運動」を社会党に働きかけていた。こうした面について、加藤さんは「今後の研究課題」とした。
また、西光さんの精神を伝えるいとなみとして詩、俳句、短歌、エッセイを組み合わせて朗読会をおこなっている日野さんは、「西光さんの文化性をよみがえらせることが、西光さんをつなぐことだろう」と提案した。
集会の主催者あいさつをした野口委員長は、朝鮮学校への教育無償化を訴えるとともに、シンポジウムの企画について、和栄運動は「私たちにも十分に伝わっていない」と問題を投げかけた。
このほか、自民党差別問題に関する特命委員会部落問題小委員会事務局長で国土交通大臣政務官の門博文・衆議院議員が「自由民主党差別問題に関する特命委員会部落問題小委員会の動きについて」をテーマに特別報告。「朝鮮学校で学ぶ子ども達の教育への権利の現状と課題」をテーマに丹羽雅雄・弁護士、「琉球差別の歴史と現在」をテーマに松島泰勝・琉球民族遺骨返還請求訴訟原告団長が、それぞれ講演。
集会に先立ち、和歌山朝鮮初中級学校の生徒が民族音楽を演奏し、朴志晙・理事長が朝鮮学校への補助金カットや幼稚園への助成が除外された実情を訴え、幼保無償化の適用を求める100万署名などに協力を訴えた。
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