「解放新聞」(2020.03.23-2947)
【熊本支局】 熊本県との意見交換を2月4日、熊本県庁審議会室でおこない、県連執行部10人と各支部から30人が参加した。県からは蒲島郁夫・知事をはじめ17人が出席した。
蒲島知事は「部落差別解消推進法の成立から3年、部落差別は許されないものであることと、行政の責務が明確に示された。県の総合計画のもと、県民一人ひとりに学びや行動が伝わるよう、県政の重要な課題としてとりくんでいく」とあいさつ。
松永末廣・県連執行委員長は「推進法は成立したが差別落書、差別ビラ、土地調査問い合わせ等、差別事象が続発している。法ができたから差別がなくなるわけではない。いかに具体化するかが大事だ」と語り、意見交換に移った。
今回の要求項目は①知事の見解、今後の姿勢②「推進法」成立を受けた新たな条例の制定③「推進法」の具体的中身(相談体制の充実、教育・啓発、実態調査)④問題解決に向けた情報の共有化⑤老朽化がすすむ改良住宅の改修・建て替え⑥「本人通知制度」導入⑦個別課題の迅速な対応、の大きく7つ。
新たな条例制定については「結婚、就職にさいする部落差別事象に加え、インターネット上の悪質な書き込みなど、法律が示唆する情報化の進展にともなう新たな形態の差別事象にたいし、県も、その解消に向けた姿勢を県民に示す必要がある。このため、法律の理念や目的を踏まえ、条例がなおいっそう部落差別の解消に資するものとなるよう改正の手続きをすすめる」と、県の方向性を示す回答を蒲島知事から受けた。
全項目で文書での回答がおこなわれたが、不十分なものもあり、継続的に協議していかねばならない。
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