「解放新聞」(2020.03.23-2947)
【滋賀】 第15回平和・靖国・憲法・教育・人権そして貧困を考える これでいいのか日本!2020滋賀県集会が2月11日午後、滋賀県大津市・解放県民センターでひらかれ、評論家の菅孝行さんが「なぜ天皇制にこだわるのか?―真の民主主義を根付かせるために」と題して講演。120人が参加した。主催は、滋賀県連も参加しているこれでいいのか日本!滋賀集会実行委員会。
主催者を代表してよびかけ人の谷村徳幸さん(牧師)があいさつ。このなかで「紀元節は戦後に廃止されたが、1966年、建国記念の日で復活した」と歴史をふり返りつつ、戦前の「紀元節祭」の名称を復活させようという保守の動きがあることを紹介し、「黙っていたら絶対になると思う」と危機感を示し、共闘してひらく15回目となる集会の意義を強調した。
菅さんは、近代国家の建国や植民地支配からの独立などを記念日にする国が多いなかで、「日本は神武東征の記念日。神話のなかの物語を近代国家の記念日にしてしまった。まことにおかしな日になっている。その前身は軍国主義の紀元節だった」と問題点をあげた。そして「私たちは主権を持ち、こだわざるを得ない」と、天皇制を主題にあげた理由を示した。
とくに「反天皇を叫ぶことと、天皇制をなくす闘いをつくることとは違う。大事なのは後者。悪口をいっててもなくならない」と強調し、「地域社会のなかで、ちょっとでも、きょうよりましになるためには、何をしたらいいのか、と考えはじめることから、すべてが始まる。隣の人との信頼関係を築きあげていく。そういう模索というものが、何よりも大事。国に依拠しない、地方に依拠しない。そういうコミュニティを組織化できるかどうかは現状にたいする対案になるのではないか。外にだけ敵を探してけしからんといってても世のなかは変わらない。天皇が権威になって、それを政府がつかって、そしてその政府が資本の有利になるよう、人びとが不利になるような政治というものを実現していくが、そういう現実を変えていく。私がいう天皇制反対は、そういうことなんだ」と訴えた。
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