「解放新聞」(2020.04.05-2949)
【愛知支局】 愛知部落解放・人権研究所は2019年12月10日、名古屋市・なごや人権啓発センター(ソレイユプラザ)で第2回人権啓発研修会をひらき、40人が参加。宮澤百代・名古屋市男女平等参画推進室長がLGBTなど性的少数者(セクシャル・マイノリティ)に関する市施策の参考を目的に実施した市民意識調査結果について報告した。
言葉の認知度では、ゲイ(男性の同性愛者)91・8%、レズビアン(女性の同性愛者)91・5%と言葉も意味も知っている割合が高かった。バイセクシャル(両性愛)は62・9%、セクシュアル・マイノリティは53・5%、LGBT(女性同性愛者、男性同性愛者、両性愛者、トランスジェンダー=性別越境者の頭文字をとった単語で性的少数者の総称)は40・7%と認知度が低くなる。
寛容性については、「同性が好きである」(同性愛者)などと打ち明けられた場合、受け入れられますか―の問いに、「受け入れられる」と回答が高かったのは職場の同僚・同じ学校の人64・6%、町内など近所の人63・7%、友人62・3%。一方、低かったのは配偶者10・9%、父親12・7%、母親13・7%と、自身に近しいときに寛容性が薄れる傾向が見られる。
また、「子ども」から「同性が好きである」(同性愛者)などと打ち明けられた場合、女性が男性よりも寛容性が高く、年齢的には若年齢層の方が寛容性が高かった。
当事者かどうかを聞いた結果、「はい」と答えた人は全体で1・6%(男性1・8%、女性1・5%)だった。性別・年齢別でみると、男性の18〜29歳が4・2%、70歳以上が0・8%。女性の18〜29歳が8%、70歳以上が0・2%と若年齢層が高い結果となった。自身の認識に近いものは「バイセクシャル」42・1%、「トランスジェンダー・性同一性障害・性別違和」15・8%、「わからない・決めたくない」11・5%。「ゲイ」13・2%、「エックスジェンダー・男性女性どちらでもない又はどちらでもある」13・2%、「レズビアン」5・3%など。
悩みや困りごとは、「家族の理解がなく、偏見や差別があると感じる」28・9%、「テレビや新聞、雑誌、コミック、インターネットなどで、偏見や差別があると感じる」27・6%、「友人や職場、学校の理解がなく、偏見や差別があると感じる」26・3%、「周りに相談できる人がいない」22・4%などが多かった。
また、「いじめやハラスメントなどを受けている(受けたことがある)」17・1%、「医療的措置に要する費用負担が大きい」10・5%、「適切な医療的措置を受けられる機関が地域に少ない」9・2%、「パートナーやその子どもが法的な親族ではないことを理由に、各種給付やサービス、住宅入居、病院での面会、相続などを拒否されたことがある」6・6%、「就職や転職等で不利に扱われたことがある」6・6%など多様な課題が明らかになった。
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