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NEWS & 主張

大阪人権博物館に関するご報告とお願い
リバティおおさか

「解放新聞」(2020.06.05-2955)

リバティおおさかが感謝の意味を込めて特別無料開館を告知するチラシ

リバティおおさかが感謝の意味を込めて特別無料開館を告知するチラシ

 まずは、これまで大阪人権博物館(以下、リバティおおさか)への多大なご協力とご支援をいただいてきた個人と団体の皆さん、そしてご来館されました約170万人の皆さんに対しまして、心から感謝を申し上げます。この4月、リバティおおさかは1985年の開館から35周年、自主運営は8年、リバティおおさか裁判は6年を迎えましたが、困難な状況のなか存続のための努力を続けています。すでに3月1日の見解において基本的な認識を示しましたが、あらためて新たな状況をふまえたリバティおおさかの現状と今後の方向についてご報告し、より一層のご協力とご支援をお願いしたいと思います。

●感謝のために5月25日から31日まで特別無料開館とします

 リバティおおさかは、新型コロナウィルス感染の拡大を契機に3月4日から臨時休館の措置をとり、4月7日から始まった緊急事態宣言によって5月31日まで臨時休館を延長する予定でした。しかし政府は5月21日に大阪府などを対象とする緊急事態宣言を解除し、これを受けて大阪府では5月23日から各方面への休業要請が大幅に解除されることになりました。これにともなって、博物館としてのリバティおおさかは、開館から35年間にわたる皆さんのご協力、ご支援、ご来館に対する感謝の意味を込めて、5月25日(月)から31日(日)までの7日間、10時から17時まで特別無料開館とします。

 しかし新型コロナウィルス感染の危険性が消え去っていないだけに、リバティおおさかは大阪府のガイドラインに基づいて万全の防止策を講じますので、皆さんにおかれましてはリバティおおさかによる注意事項に沿いながら、総合展示をはじめ特別企画「リバティおおさかの35年」などをご観覧いただくようお願いします。なお、5月29・30日(金・土)の2日間に大阪府内の関係者に対する内覧会を予定していましたが、5月25日から31日までの特別無料開館に合流させていただきますのでご了解ください。

 また3月1日の見解で示しましたように、リバティおおさかの再出発を準備するため、6月1日から2年間程度の休館に入ります。リバティおおさかの基本的な役割が展示の観覧であることからすると、皆さんには展示をご観覧することができずにご迷惑をかけることになりますが、何卒ご理解いただけますようお願いします。

●リバティおおさか裁判での和解が6月中に成立する予定です

 言うまでもなく、2013年4月からの大阪府と大阪市による補助金全面停止とともに、2015年7月の大阪市による提訴に納得するものではありません。しかし3月末、2022年を目途とした新たな場所でのリバティおおさかの再出発を目指した現実的な判断として、大阪地方裁判所の勧告を受け入れ、大阪市との間で和解案に合意することになりました。

 この和解案は、①リバティおおさかは現在の建物を2021年6月までに撤去して大阪市に土地を返還する、②2015年4月から発生している月額約250万円の遅延損害金のリバティおおさかによる大阪市への支払い義務は免除される、③リバティおおさかの収蔵物は大阪市の施設に保管し、その使用料は実費を除いて無償とする、④今後は大阪市が適切かつ可能な範囲でリバティおおさかに協力・連携する、という要旨です。

 この和解案は5月14日から始まった大阪市会で承認され、これをふまえて6月中には大阪地方裁判所、リバティおおさか、大阪市の間で和解が成立する予定となっています。和解が成立した直後には、説明責任を果たすために報告集会を開き、またリバティおおさかと弁護団による共同声明を発表する予定です。

●2020年6月1日からの休館中も公開の事業を展開します

 和解の成立にともなって7月から建物の解体工事に入り、同時に事務所を大阪市内の適当な場所、収蔵物を大阪市の施設に移転します。新しい事務所については、あらためてご通知いたします。

 6月1日からリバティおおさかは休館となりますが、常設展と特別展、企画展を除いて、可能なかぎり事業を展開していきます。その事業の内容は、①主催による巡回展と他の機関・団体との共催による巡回展の開催、②主催および共催によるセミナーと講座の実施、③フィールドワークの実施、④当館職員等の講演会への講師派遣、⑤書籍やDVDなどの販売、⑥寄付金の募集、⑦外部資金獲得による事業、などを予定しています。

 大阪府での緊急事態宣言が解除されましたので、これから公開の事業については可能なかぎり実施していきます。実施するにあたっては、必ずホームページやチラシなどで周知を徹底しますので、ふるってご参加くださいますようお願いします。

●リバティおおさかは2022年を目途に新しい場所で再出発します

 3月1日の見解で示したように、リバティおおさかは2022年を目途に新しい場所での再出発を目指しています。あたかも2022年は、全国水平社創立100周年および大阪府水平社100周年に当たるように、記念すべき年に当たります。

 新しいリバティおおさかは35年間にわたる成果を継承し、人権に関する新たな到達点を反映させて、展示公開をはじめ資料保管、調査研究、教育普及などにわたって新たな内容の創出が必要となっています。そのために現実的規模での持続可能な博物館運営を基本として、各方面からの意見をふまえた再出発の検討を進めていきます。現在のところ新しい場所は未定ですが、アクセスが便利な公共交通機関の駅近くを想定しています。

 人権の重要性がますます重要となっていますが、リバティおおさかの果たす役割はますます大きいと言えます。リバティおおさかは2022年を目途に新しい場所で力強く再出発する決意ですので、皆さんにはより一層のご協力とご支援をお願いします。

2020年5月22日

公益財団法人大阪人権博物館
理事長 石橋 武
専務理事 赤井 隆史

 

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