「解放新聞」(2020.07.05-2958)
コロナウイルス感染症拡大の影響で中止されていた「全国部落調査」復刻版出版事件裁判の協議が再開され、6月2日に電話による裁判の進行協議(書面による準備手続)がおこなわれた。
裁判所は、コロナウイルスの感染防止措置として、電話による協議を開催。弁護団、原告代表、被告、裁判所が電話を通じて裁判の進行を協議した。そのなかで、裁判所は、証人尋問の日時と傍聴者の人数、証人の条件などを提示。証人については「全国部落調査」や「部落解放同盟関係人物一覧」との関連性について、いくつかの類型別に証人を選ぶよう求めた。また、傍聴については、コロナウイルス感染防止のため、入場者の人数制限をおこない、原告についても人数を制限せざるを得ないと現状の措置について説明があった。
協議の結果、証人尋問については、8月下旬以降におこなわれる見通しとなった。次回弁論準備を7月20日におこない、証人尋問の人選や日程などを最終的に決定する予定だ。
部落解放同盟「全国部落調査」復刻版出版事件糾弾闘争本部は、証人尋問にあわせ8月後半に大阪、東京で裁判闘争勝利決起集会(仮)をひらく方針だ。集会では、原告の決意表明や弁護団、支援者からの報告・メッセージなどを予定している。
協議に先立って被告の鳥取ループ・示現舎は、5月26日付で準備書面13を提出した。そのなかで、「原告らの関係団体や行政機関等が出版した…同和地区の地名や区域をリスト化した資料についてはその出版を正当化しているが、なぜ『全国部落調査』は出版禁止の対象となるのか、未だに明確に説明できていない」と従来の主張をくり返し、「原告らの論理がこのまま認められるなら、被告は判決確定後も趣旨を変えて同様の出版物を出し、再び裁判で争うことをくり返すしかない」とのべ、裁判で負けても、あくまでも出版をやめないと悪質で挑発的な姿勢をあらわにした。
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