「解放新聞」(2020.07.15-2958)
旧「優生保護法」のもと不妊手術を強制されたのは重大な人権侵害で憲法違反だと訴え、北三郎さん(活動名)が国にたいし3000万円の賠償を求めた訴訟で、東京地裁(伊藤正晴・裁判長)は6月30日、賠償請求を棄却した。北さんは、強制不妊手術が憲法第13条から導かれるリプロダクティブ権(性と生殖に関する権利)と、同第14条の法の下の平等に違反し、国が被害回復のための立法的措置をとらなかったのは違法だと訴えていた。
判決は、教護院(現在の自立支援施設)に入所させられていた1957年当時中学2年生の北さんへの強制不妊手術を適切とした審査が誤りだったとし、憲法第13条の幸福追求権への違反を認めながらも、手術から20年以上が過ぎ、賠償請求権は失われている、と「除斥期間」を適用。救済措置への義務も認められないとし、旧「優生保護法」の違憲性についても明確に判断しなかった。強制不妊手術をめぐって、同様の訴訟が8地裁、1高裁で争われており、今回は昨年5月28日の仙台地裁判決に続き賠償請求を棄却する不当判決。
北さんは、20年で賠償請求ができなくなるのはおかしいと訴え、控訴する意向を示している。
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