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反戦・平和の闘いを強化しよう

「解放新聞」(2020.08.15-2962)

 安倍政権は、今年1月、「国家公務員法」の延長規定を使って当時の東京高検検事長の定年延長を閣議決定した。理由は、次期検事総長に据えるためだ。しかし、国家公務員法の延長規定は「検察官には適用されない」とする過去の政府答弁があり、違法であると追及された。

 つぎには、安倍首相は国会で、「検察官の定年延長に国家公務員法の規定が適用されると解釈することとした」と答弁した。しかも「検事総長、次長検事、検事長は内閣が、検事正は法務大臣が必要と判断すれば最長3年定年延長できる」という特例規定を盛り込んだ「検察庁法」改悪案を国会へ提出した。この「検察庁法」改悪案が可決されれば、時の内閣や法務大臣の検察への人事介入を許すことになり、三権分立が破壊されるとともに、法治国家の崩壊を招くことは必然だ。

 安倍政権は、5月に野党の反対を押し切り、新型コロナウイルス感染症問題の影響が大きいなかで、「検察庁法改正案」審議を強行した。

 しかし、この法案に多くの市民が反対の声をあげ、とりわけツイッターのハッシュタグ「#検察庁法改正案に抗議します」には数百万もの反対の声が集まった。ほかにも俳優・歌手などの著名人や日弁連会長、多くの弁護士が反対の声をあげ、果ては、元検事総長や元東京地検特捜部長までもが法案に反対し、法務省に意見書を提出した。

 結局、当時の東京高検検事長は、緊急事態宣言下でマスコミと「賭け麻雀」をしていたことが発覚し辞職した。同時に、検察幹部の定年延長を政府の判断で可能とする「検察庁法改正案」は廃案となった。こうした状況のなか、安倍内閣の支持率は大きく低下し、「不支持」は、「支持」を上回っている。政権維持と「森友・加計問題」「桜を見る会」、「公職選挙法」と「政治資金規正法」など、みずからの不正を覆い隠し、自己保身のために検察官人事に介入する安倍政権を、絶対に継続させてはならない。

 沖縄県は2020年6月23日、20万人をこえる人が犠牲となり、県民の4人に1人が命を落とした沖縄戦から75年、「慰霊の日」を迎えた。沖縄県の玉城デニー・知事は定例会見で、記者から6月23日の「慰霊の日」の平和宣言内で言及した「沖縄戦の教訓」について尋ねられ、「「命どぅ宝」(命こそ宝)だ」と答えた。

 最後の激戦地、糸満市の平和祈念公園では、県主催の沖縄全戦没者追悼式がひらかれた。黙禱後、玉城知事は平和宣言で、沖縄になお7割が集中する米軍基地の現状を訴え、反対してきた名護市辺野古の基地建設にたいしては、豊かな自然環境を次世代に残すことを強調した。安倍首相は、ビデオメッセージで、辺野古基地建設には言及せず、「出来ることはすべて行うとの方針の下、沖縄の基地負担軽減に全力を尽くす」とのべるに留まった。

 辺野古新基地建設をめぐる状況は、埋め立て予定地のサンゴを採取して移植するために、沖縄防衛局が沖縄県にたいして「サンゴ特別採捕許可」を申請しているところ、沖縄県は決定を保留。この沖縄県の判断にたいして、国、農林水産大臣は、許可するように是正の指示を出した。沖縄県は、この国の関与が不当として国地方係争処理委員会に審査請求を提起した。地方分権改革での地方自治の精神から、国の不当な関与は問題であり、かつ沖縄県および沖縄県民の民意を無視して強行する辺野古新基地建設に関連するサンゴの採捕は許すべきではない。この間、平和フォーラムは、国地方係争処理委員会にたいして「地方自治法」、地方自治の精神にもとづき中立、公正な判断を求める団体署名を2528筆提出している。しかし、「国地方係争処理委員会」(富越和厚・元東京高裁長官)は6月19日、辺野古新基地建設にともなうサンゴの移植をめぐって、沖縄県が申し立てていた審査請求を退けるという不当な判断をおこなった。

 1兆円に迫る建設費の増加、埋め立て海域の軟弱地盤や活断層の存在、サンゴの移植の課題、さらに360件におよぶといわれる高さ制限をこえた基地周辺建造物の存在など、辺野古の基地建設は、きわめて困難である。にもかかわらず、工事を強行し続けることは、環境破壊であり、人権侵害であり、「国による沖縄差別」といっても過言ではない。

 辺野古新基地建設に反対するとりくみは、米軍基地問題にたいする闘いはもとより、日本全体の民主主義、立憲主義、地方自治をとり戻す重要な闘いだ。

 1972年5月15日、沖縄は日本に復帰した。県民の願いであった基地の「即時・無条件・全面返還」は受け入れられず、時の佐藤栄作・総理が約束した「核抜き・本土並み」さえも反故にされたまま6年を迎えた1978年に平和行進はスタートした。2020年は、43回目の平和行進のスタートを予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、県民や参加者のいのちを優先し、先達が築いてきた平和行進は中止することになった。

 緊急事態宣言が解除され、徐徐に社会・経済活動が再開されているが、いまだ新型コロナウイルス感染症は終息をみていない。さまざまな集会やとりくみがあいつぎ中止や自粛となるなか、今年の「被爆75周年原水爆禁止世界大会」はオンラインでの開催となった。

 核兵器をめぐる動きは、2020年4月に開催予定であったNPT再検討会議が延期となり、米国・ロシア・中国などの核兵器保有国の核開発は、とどまるところを知らない。また、福島第一原発の汚染水放出問題や原子力規制委員会による六ヶ所再処理工場の新規制基準「合格」など、原子力をめぐる課題・問題は山積している。

 核をめぐる状況が、いっそう厳しいなかで迎える「被爆75周年原水爆禁止世界大会」は、大きな節目となる。各都府県連は、オンライン集会に積極的に参加し、同時に、核兵器廃絶・脱原発・ヒバクシャへの援護と連帯の輪を拡げるため、各地域で創意工夫したとりくみを強化しよう。

 私たちは、「戦争をさせない1000人委員会」や「戦争させない・9条壊すな\_c12113総がかり行動実行委員会」に積極的に参加し、原発再稼働を許さず、脱原発とすべての核兵器廃絶にとりくみ、核と戦争のない平和な21世紀を実現しなければならない。そして、すべての市民と連帯し、「戦争法」廃止、憲法改悪阻止に向け、全力でとりくもう。

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