「解放新聞」(2020.10.15-2968)
【香川支局】 部落差別をはじめ、あらゆる差別の撤廃で真の人権確立社会の実現をめざす、部落解放・人権政策確立要求2020年度県内「網の目」行動を8月17日、丸亀市・人権啓発センターでひらいた結団式からスタートし、9月3日の直島町まで8市9町と意見交換をおこなった。
結団式では、岡田剛・書記次長の司会で開会。行動隊を代表して和泉義博・隊長(県連委員長)が「新型コロナウイルス感染拡大に伴いさまざまな差別が起きている。日本の人権にたいする制度はきわめて不十分である。私たちは、部落差別解消推進法、障害者差別解消法、ヘイトスピーチ解消法を足がかりに包括的な差別禁止法や人権侵害被害者を救済するシステムの構築と、世界人権宣言や人権条約の具体化をさせていき、人権と平和をとりもどさなければならない」とあいさつ。
岡本俊晃・事務局長が要求項目、行動要領を提起し、大藤正孝・組織規律委員長の発声で団結がんばろうを三唱、意思統一をはかった。
19日のさぬき市を皮切りに、県内すべての自治体と意見交換をおこなった。
今年は、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、自治体、行動隊それぞれ参加人数を縮小させ、意見交換の項目も①部落問題に関する基本認識と今後の人権・同和行政について②「部落差別解消推進法」についての2項目のみで、時間短縮での意見交換となった。
各自治体とも、部落差別が現存しているとの認識のもと、部落差別解消に向け、同和行政を推進するとの姿勢で、新型コロナウイルスで財務状況が厳しいなかでも、人権政策は最重要政策と捉え後退することのないようすすめるとの回答だった。
また、新型コロナウイルス感染症が拡大するなかで顕在化した人権侵害については、相談体制の充実や教育・啓発について、これまで培ってきた人権・同和行政を生かしたとりくみをすすめることを確認した。
行動隊からは、2002年の「特措法」失効以降に採用された職員・教職員で、とくに採用5年未満の職員・教職員が半数近くを占め世代交代がすすむなか、部落問題をはじめあらゆる人権問題について知らない人が増えている現状をふまえ、市町民にたいする意識調査だけでなく、職員・教職員の意識調査を実施し、今後の研修のあり方について庁内や教委内での検討や審議会での協議の必要性について提起をおこなった。
そのほか、国内外の人権状況をふまえ、これまでおこなってきた教育・啓発について何が足りなかったのか、何が必要なのかについて総括する研究班を設置し、今後の人権・同和行政の新たな手法を見いだす作業が必要だと提起した。
市町との意見交換をふまえ、県に要求書を提出し、10月23日に県と意見交換会を開催する。
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