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原告5人が体験証言 〜第2回証人尋問
復刻版裁判

「解放新聞」(2020.10.15-2968)

第2回証人尋問後の報告集会で法廷に立った原告から思いを聞いた(9月14日・東京)

第2回証人尋問後の報告集会で法廷に立った原告から思いを聞いた(9月14日・東京)

 第2回証人尋問は9月14日午後。原告団から5人が法廷に立ち、部落差別の実態を証言。「全国部落調査」復刻版などのインターネット掲載が、深刻な被害につながる部落差別の拡大・再生産である事実を訴えた。

 証言したのは、田村賢一さん(大阪)、池田千津美さん(兵庫)、西田義則さん(大阪)、下吉真二さん(鳥取)、松岡克己さん(三重)(証言順)。中井雅人・弁護士、山本志都・弁護士の質問に答える形で体験を語った。

 田村さんは、就職や結婚時の部落出身者の排除について、自身の被差別体験と「部落地名総鑑」事件をくわしく証言。人権学習時にインターネットで復刻版を見つけた小学生が「こんな怖いところに勉強にいくの」などと発言した事件や、住所を聞かれた親類が「そんな怖い所に住んでいるの」といわれた事件など、根深い差別意識の現状を語り、インターネットへの情報暴露の被害が子どもにおよぶ心配と、被告の行為への強い怒りを表明した。

 池田さんは、「部落の子がくるなら土地を提供できない」と小学校建設が頓挫した事件や、中学校の校区変更で部落の子がくることに反対する署名が展開された事件など、70年代以降の体験と闘いの経過を証言。現在も差別落書事件が起きており、インターネットによる差別の拡散・拡大の現状にたいし、「あかんことはあかんとわかる社会にしたい」「(判決で)何が間違っているかを(社会に)伝えてほしい」と訴えた。

 西田さんは、PTA活動で体験した保護者による差別発言を報告し、根強い偏見の実態を証言。解放運動への参加など自分の情報は自分で選んだ人にだけ伝えてきたこと、インターネットにはとくに気をつけてきたことをフェイスブックの利用実態もあげて報告。「部落差別がいまなお根強く発生している。家族が部落差別にさらされたくないし、差別する社会を変えたい」「私の情報が差別される情報に使われてはならない。すぐ削除を」と訴えた。

 下吉さんは、Mが県内の同和地区の位置情報をインターネットに掲載していらいの、グーグルや法務局への自治体や県連からの削除要請や法務大臣要請(2785、2910既報)など、10年にわたる闘いを報告。全研や職場への来訪、市役所との電話のネット公開など、挑発を重ねるMの悪質さを証言した。名指しの差別文書が小学校などに置かれた事件など差別の現状を訴え、被告による個人情報ネット公開への強い不安を表明。同和地区問い合わせ事件の発生や、訴状の当事者目録に合わせてネット情報が変更された事実と冒瀆する内容の加筆も報告し「Mの行為はまさに差別の拡大、再生産」と訴えた。

 松岡さんは、結婚時の被差別体験や結婚・就職をめぐる県内の行政書士の戸籍等大量不正取得事件(2335号既報)から部落差別の実態を証言。アイスピックなどの凶器入り連続脅迫差別文書事件(2821号既報)に、被告がネット公開した情報が使われていることや、被告の「部落探訪」による住民の不安の実態も証言した。「インターネットにさらされることで毎日不安。個人の尊厳を傷つけ、憲法13条の幸福追求権を奪うものだ」と訴えた。

 Mによる反対尋問は、被告提出の証拠資料について、あなたの文章かなどと確認する尋問が中心。所属支部を尋ねたり、この建物があるのは同和地区かなどと問う不適切さや本件との無関係さへの指摘もあいついだ。

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