「解放新聞」(2020.11.05-2970)
【三重支局】 県内の熊野市、御浜町(みはまちょう)、紀宝町(きほうちょう)などをふくむ紀南地域での差別事件へのとりくみや、住民にたいする部落問題研修の推進に向けた体制強化などについて、10月9日午前、三重県庁で申し入れと意見交換をおこなった。話し合いには、中央本部の西島書記長、大西中執と三重県連の松岡委員長、三重県から岡村順子・環境生活部長、辻修一・次長、岡村益幸・人権課長、三重県人権センターの田中彰二・所長など関係職員が出席した。
西島書記長から、この間の紀南地域での差別事件への対応をめぐって、県連と連名で申し入れ書を5月に送付した経過を説明。県側の回答書をふまえ、とくに紀南地域でのとりくみを推進していく具体化な方策を要請した。岡村部長は、紀南地域の差別事件については深く反省しているとし、これまでのとりくみの検証と、より効果的な啓発事業の推進に向けて体制の強化をしていきたいと回答。「身元調査お断り」のリーフレット作成や、紀南地区人権啓発推進協議会の活性化などの具体的な方策についても説明した。
西島書記長は、推進協議会については、市長・町長などの参加もあり、体制はあるものの、住民が部落問題の正しい理解をもつような啓発がすすめられてきたのか点検が必要だとし、県民意識調査の結果などもふまえ、推進体制の強化、啓発内容の充実などを強く要望。行政広報紙などの活用、隣接する和歌山県と連携をすすめることなども提起した。松岡委員長も、紀南地域の住民の人権意識の実態を指摘、重点的な施策が必要と強調した。
岡村部長は、紀南地域でのとりくみとして、リーフレットの全戸配布、広報紙の活用などはすすめていきたいとのべ、推進協議会の活性化に向けて県も積極的な役割を果たしていくとし、和歌山県とも、定期的な情報交換をすすめ、紀南地域でのとりくみを強化していきたいと回答した。
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