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部落差別の現実証言 〜結審は来年3月18日に
復刻版裁判

「解放新聞」(2020.11.25-2972)

 「全国部落調査」復刻版出版事件裁判の第4回証人尋問が11月9日、東京地裁と福岡地裁をオンラインで結んでおこなわれた。証人として福岡県連の篠原茂さんが部落差別をめぐる体験を証言し、「全国部落調査」復刻版出版事件の深刻な影響を裁判官に訴えた。証人尋問後、三者協議がおこなわれ、3月18日午後1時半から東京地裁で結審をおこなうことが決まった。

 2016年4月にはじまった「全国部落調査」復刻版出版事件裁判は来年で5年。結審のあと、5月頃には判決が出される見通しとなった。片岡明幸・闘争本部事務局長は「いよいよ結審を迎える。最後まで気を緩めず闘い抜き、差別を煽動する鳥取ループに鉄槌を下そう」と語った。

 結審では、原告、被告双方が最後の意見陳述をおこなうことになり、原告側は弁護団を代表して指宿昭一・弁護士が、原告団を代表して片岡副委員長が意見をのべることになった。また、結審にあわせて原告、被告双方が最終準備書面を提出することが確認された。

 証人尋問で、篠原さんは、指宿弁護士の質問に答える形で、若いころに出会った知人の部落出身青年の結婚差別の体験を語った。篠原さんの知人は、勤め先の会社で知り合った同僚の女性と結婚を約束したが、女性の家族が強く反対し、暴力を振るうようになった。篠原さんは、暴力を受けて青年の家に逃げてきた女性は「顔が腫れ、腕にあざや傷ができていた」と生なましくようすを語り、「私はこのとき、部落差別の厳しい現実を知った」とのべた。

 また、篠原さんは、自分の知らないあいだに「部落解放同盟関係人物一覧」に名前や住所、電話番号が載せられたことにふれ、「それは隣の町の同姓同名の人で、その人も部落出身者と見なされることになって迷惑をかけた」とのべたうえで、本人の知らないあいだに他人が情報を勝手に公開することに「家族も大変心配している」と証言し、「示現舎がやっていることは、暴き、さらしだ」と語り、批判した。

 

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