「解放新聞」(2020.12.15-2974)
【埼玉支局】 人権教育・啓発推進埼玉県実行委員会は11月12日、さいたま市のさいたま法務局で鳥取ループの「全国部落調査」の削除などを求めて要請行動をおこなった。
さいたま地方法務局からは越智弘・人権擁護課長、栗原智・人権擁護係長、県実行委からは副会長の齋藤実朗・同宗連議長、加藤朗・埼玉人企連代表幹事ら13人が出席した。県連からは片岡明幸・委員長(副会長)、水島輝彦・副委員長(幹事)ら5人が参加した。
要請では、鳥取ループの「全国部落調査」や「部落探訪」の削除のほか、昨年、国がおこなった「人権に関する国民の意識調査」と「インターネット上の部落差別の実態調査」にたいする局の見解が新たに追加された。
冒頭、片岡副会長は、「ネット上の差別情報をすぐに削除してほしい」とあいさつで強調。「全国部落調査」の削除について越智課長は「個別の事案についての回答は差し控えるが、一般論としてネットで特定の地域を同和地区であると摘示する内容の情報を認知した場合は、調査をおこない人権侵犯事件としてプロバイダーへ削除要請し、適切な対応をおこなう」と回答した。また、削除するためにインターネット関連4団体にたいして強力な働きかけをおこなってほしいとの要望には「要請があったことを法務省に伝える」と回答した。
「人権に関する意識調査」にたいする見解については、「多くの国民は部落差別についてみずからの実体験以外から認識を得ている。この問題の正しい理解の普及には適切な教育・啓発が必要である」と回答。「インターネット上の部落差別の実態調査」にたいする見解については「調査結果からは、部落差別は減少の傾向にはない。粘り強く適切に対応することが重要だ」「」相談窓口としての人権擁護委員の認知度も低く、引き続き周知をはかることが必要」「部落差別の事案はネットによるものが増加していることが明らかとなった。ネット上での情報に適切に対応するには、通信事業者との情報交換などをはかり、地方公共団体自身による適切な対応を促すことも重要である」と回答。
意見交換では、「「全国部落調査」や「部落探訪」はいまだに削除されていない。なぜ削除できないのか」と実行委の参加者が質問。越智課長は「要請したが強制力がなく、削除要請をおこなっても結局削除してもらえない」と回答し、「対応できるような裏づけになる法律がない」とものべた。
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