「解放新聞」(2021.02.05-2979)
【愛知支局】 部落解放東海ブロック共闘連絡会議は昨年12月22日、第5回定期総会と研修を三重県松阪市第一隣保館でおこなった。新型コロナ感染対策をおこない、愛知11人、三重12人、岐阜2人の総勢25人が参加した。
冒頭あいさつで豊田弘・議長(愛知県共闘会議議長)は「新型コロナウイルス感染者や医療従事者、その家族への偏見や差別が深刻になっており、人権が問われる一年だった。東海ブロックの役割として、各県の活動の情報を共有し、人権に関する問題意識を深め、おたがいの活動を高めることが重要。タイのスラム街の子どもたちへの教育支援を結成当時から模索してきた。世界一の格差社会の国で、1%の国民が富の3分の2を占めている。バンコクとその周辺にはスラム街があり、200万人が住んでいる。タイの格差社会、貧困の象徴がスラム街であり、コロナ禍のなか、スラムの人びとの生活はかなり厳しくなっている。スラム街の子どもたちは教育を受けることがさらに困難になっている。教育こそがスラムを変える原点であるとの理念のもと、現地で活動されている団体があり、まさに部落解放運動の原点と一致している。スラムの子どもたちが格差のない教育を受けられるよう支援していきたい」とよびかけた。
2021年度活動方針では、「タイの子どもたちへの教育支援基金」創設をはじめ、部落解放・人権政策確立、就職差別や雇用差別撤廃、狭山再審闘争、人権教育・啓発の推進を柱とする諸活動。また、学習会、講演会、映画会、フィールドワークなどを年1回おこない、創意工夫した学びの機会を創出する、「部落差別解消推進法」をふまえた「部落差別解消推進条例(仮称)」早期制定に向け、東海3県で情報共有をはかる、などを採択した。
活動方針を提案した吉川秀治・副議長(部落解放三重県民会議・議長)は「2年前、愛知県共闘会議と情報労連のみなさんが長年支援してきたタイのスラム地区へ、東海ブロックとして私も現地調査に参加し、ひじょうに心を痛めた。ぜひとも格差が一番厳しい社会で暮らす子どもたちへ手をさしのべ、なんとか教育の充実をはかりたい」と語った。
シャンティ国際ボランティア会東京事務所の吉田圭助さんが「タイの子どもたちが置かれた状況について」と題してオンライン研修会をおこなった。
総会後は、三重県連松阪支部の松田俊助・支部長が支部のとりくみを報告。結婚差別が現実にあり、学校でも差別事象がある、同和教育をしっかりとおこなってほしい、などの思いを語った。
松阪は伊勢表の産地であり、貴重な道具が残されている。道具を見ながら説明を受けたあと、地域をフィールドワークした。
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