「解放新聞」(2021.02.05-2979)
【京都】 「『京大よ、還せ―琉球人遺骨は訴える』祝!出版記念シンポジウム」が昨年11月18日、京都市・響都ホールでひらかれ、60人が参加したほか、オンラインで結びZoomでの参加もあった。
この書籍は、琉球民族遺骨返還請求訴訟原告団長を務める松島泰勝さん(龍谷大学教授)と、山内小夜子さんが編著者となって9月20日に耕文社から発行された。
盗掘された琉球人遺骨を還すよう京都大学に求めて裁判をおこした原告の訴えを、あますことなくとりあげた一冊で、29団体・個人が寄稿。この問題は琉球人の遺骨だけでなく、「京都大の奄美人遺骨返還を求める会」も結成され、同会の関係者が「負の連鎖に終止符を」と題する一文を寄せた。また、日本人類学会への抗議文を収録して、この問題の背景をつくり出している学者の姿勢そのものを問うた。
シンポジウムでは、原告、弁護団が発言。このなかで国立台湾大学が2019年3月に63体の琉球人遺骨を沖縄県教育委員会に移管したものの、遺族が求める返還・再風葬を無視し、研究材料のままにおこうとする動きについて報告があった。
丹羽雅雄・弁護団長は「この裁判で問われる本質は何か。植民地支配とその責任で大学の植民地主義をどうするか。盗掘が争点になっているが、あれは刑事犯。許可をとったといっても植民地支配の状況で、構造的差別のなかで盗まれた。京大は姿勢が問われている」とのべた。
盗掘した遺骨の返還を京都大学に求めている琉球民族遺骨返還請求裁判の第7回口頭弁論が昨年11月18日、京都市・京都地裁でおこなわれ、原告の一人である亀谷正子さんが系統調査の結果、「琉球国王府位階をもつ貴族を祖に有することが確認できる」とする準備書面の要旨を普門大輔・弁護士が読みあげた。
次回は2月26日午後2時30分から京都地裁でおこなわれる。
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