「解放新聞」(2021.03.05-2983)
【熊本支局】 熊本県との意見交換を2月4日に熊本市内でおこない、県連からは執行部9人と各支部から30人が参加した。県からは、蒲島郁夫・県知事をはじめ担当部の幹部が参加した。
蒲島知事は「推進法成立から4年、部落差別は許されないものであることと、行政の責務が明確に示された。県の総合計画のもと、県民一人ひとりに学びや行動が伝わるよう、県政の重要な課題としてとりくんでいく。また、かねてより要望があった県の部落差別解消推進条例についても、約束どおり昨年6月に改正、施行することができた。法律の理念を反映させるとともに、相談体制の充実や、教育・啓発をはじめ部落差別の解消の推進に係る施策を講じることが県の責務であることをあらためて明記した」とあいさつ。
つづいて「推進法は成立したが差別落書、差別ビラ、土地調査問い合わせなど、差別事象が続発している。法ができたから差別がなくなるわけではない。法の周知はとっくに終わっていなければならない。早急に具体化する必要がある」と熊本県連の松永末廣・委員長があいさつし、意見交換にうつった。
今回、熊本県にたいし①知事の見解、今後の姿勢について②全市町村にたいしての「部落差別解消推進条例」制定の強い要請③「部落差別解消推進法」の具体的中身について(相談体制の充実、教育・啓発、実態調査について)④企業、各種団体への人権教育・啓発の徹底⑤インターネット上の差別にたいするモニタリング・削除について⑥「本人通知制度」の導入について⑦個別課題の迅速な対応について等、11項目の要求をあげた。
そのなかで、③相談体制の充実、実態調査について、「心理的差別・実態的差別の相関的因果関係をはっきりとたちきり、この二つの差別を解消することが部落解放である。そのためにはどうしても実態調査による実情把握が必要である」と要求した。これにたいし、県は、「われわれとの意見交換会や、各市町村、隣保館と連携し実情把握に努める。また、さまざまなとりくみにたいし、県民一人ひとりに届くような手法を考えたい」と回答。
また、県教育委員会にたいしても①部落差別を解消するための教育・啓発について②部落差別の実態に係る調査について③児童生徒支援加配や人権教育主任が動きやすい条件整備④教職員の多忙化の改善等、16の要求をあげた。
すべての項目で文書での回答があったが、不十分なものもあり、継続的な協議を続ける必要がある。
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