「解放新聞」(2021.03.25-2985)
【香川支局】 昨年7月20日、「結婚を前提に交際しているが、私の住んでいるところがややこしいところだと反対されている」と、一人の市民が善通寺市人権課に相談に訪れた。対応した人権課長が帰宅した相談者の携帯電話に「あなたの住んでいる所は、指定地区ではない。差別を受けるような場所ではない」と伝えた。
その後、人権課は人権擁護委員を紹介するだけで、問題解決に向けたとりくみをいっさいおこなわず、地元の与北支部、県連、県への情報提供もおこなわなかった。
相談者は、人権課や人権擁護委員に相談したが解決の糸口さえも見いだせず悩んだすえ、9月3日、香川人権研究所に「住んでいるところが悪いところではないのに反対されている。何か資料などあれば教えてほしい」と相談。9月10日に香川人権研究所から県連への情報提供で事実が明らかになった。
県連は、人権担当職員による重大な差別事件として香川人権研究所と連携し、当事者の心情に配慮しつつ問題解決を最優先にとりくむこととした。
善通寺市の対応については、11月19日に市役所を訪問し、人権課から聞き取りをおこなった。県連からは岡本俊晃・書記長、研究所からは竹上精一・事務局長が出席し、相談内容、市側の対応、発言についての事実確認をおこない、①事案にまつわる経過を整理するとともに現状を報告する②この間の経緯を総括する③課として相談者へのアプローチは当面控えることを提起し、糾弾学習会を開催することを伝えた。
これを受けて与北支部に経緯を説明し、今後、結婚差別事案については香川人権研究所を中心に対応するとともに、善通寺市については与北支部が糾弾学習会にとりくむことを12月11日の県連執行委員会で決定した。
与北支部は12月24日に支部役員会で事案の経緯について学習会をひらき、支部として事実確認会をおこなったうえで、糾弾要項を作成し、糾弾学習会をひらくことを決定した。
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