「解放新聞」(2021.04.15-2987)
「2021年 宝塚宗教者・市民 平和会議 学習会」が2月27日午後、兵庫県宝塚市・日本キリスト教団宝塚教会の会場とZoomで県外をふくむ参加者をつないでひらかれた。双方ほぼ同数の49人が参加。同会議は08年、戦前回帰と改憲を阻止しようと設立され、高野山真言宗社会人権局の佐々木基文さんが代表を務める。
昨年の木津譲さん(大阪人権博物館元理事)による差別戒名に関する講演を受け、理解を深めようと、「戒名の持つ問題点」と「差別戒名墓石」をテーマに掲げた。木下達雄さん(浄土宗大林寺前住職)が「改めて「戒名」問題を考える」と題し、戒名の問題性を提起。佐々木さんは、昨年10月に木津さんの案内で長野県の小諸・佐久・上田の各市に差別墓石を訪ねた現地研修で撮影した差別墓石の写真なども示し、寺の境内に移されず埋められた墓石もあると語った。西蔵全悠さん(高野山真言宗社会人権局人権課)は、排除・差別とかかわる「寺請制度」を中心に解説した。
木下さんは、死者への戒名は元来、仏教に帰依した僧侶に与えられる法名だが釈尊の教えや経典にも根拠がなく、ランクづけを問題視すべきとし、戒名は不要との意識の強まるなか、しきたりへの同調圧力と教団と闘い、平等主義へ帰れと説いた。西蔵さんは、キリシタンでないと寺が証明する「寺請制度」から部落は排除され、差別墓石がそれを強化したのではないかと語り、足下から差別をなくす闘いをしたいとのべた。
報告を受け、会場・オンラインでわかれて8グループで話し合ったのち、全体で共有して終了した。
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