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NEWS & 主張

東海から住民勝訴の報告も 〜集会後サイレント・デモへ
さようなら原発首都圏集会

「解放新聞」(2021.04.25-2988)

人数制限のなかで日比谷野音に集まった参加者(3月27日・東京)

人数制限のなかで日比谷野音に集まった参加者(3月27日・東京)

 「福島原発事故10年 さようなら原発首都圏集会」が3月27日、日比谷公園野外音楽堂でひらかれた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、来場者を収容人数の半分に制限し、1500人が参加、部落解放同盟も参加した。各地の闘いの報告を受け、脱原発に向けた運動の前進を誓い合った。集会後はサイレント・デモをおこなった。

 「福島原発事故10年 さようなら原発首都圏集会」で、よびかけ人の鎌田慧さん(ルポライター)は、「さようなら原発1000万人署名」の約880万筆の署名を国会に提出したこと(2985号既報)を報告し、「原発はいきづまっている」と語り、脱原発の前進に向けた闘いの決意を表明。同じくよびかけ人の澤地久枝さん(作家)も「原発はやめられる。原発のない社会をつくりましょう」ととりくみを訴えた。

脱原発を訴えて東電本店前をデモ行進(3月27日・東京)

脱原発を訴えて東電本店前をデモ行進(3月27日・東京)

 福島原発刑事訴訟支援団からは、地脇美和・事務局長が福島の現状を報告。「3月25日、福島から聖火リレーが始まったが、いまも原発事故は収束しておらず、原子力緊急事態宣言が発令中だ。先日発生した東北地方の地震では、福島第一原発1、3号機の水位が下がり、注水を増やしている。大きな地震や台風のたびに全国各地の原発を心配しなければいけない状況はいつまで続くのか。汚染水海洋放出に反対する多くの声は無視されている」と語った。

 原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟からは、吉原毅・会長が「莫大な金を使う原発より、自然エネルギーをすすめましょう」と訴えた。

 連帯あいさつで、菅直人・元首相が「10年前、場合によっては10年後のきょう、この場所にくることができなくなる寸前だった。原発事故は、今日まで継続している。国会議員の半分が原発ゼロに賛成すれば、日本の原発はなくなる。選挙で結果を出そう」とよびかけた。

 水戸地裁で3月18日に勝訴した東海第二原発運転差止訴訟原告団からは、大石光伸・共同代表が報告。「3月18日、東海第二原発は運転をしてはならないと命じた。住民側の勝訴だ。裁判官は、避難計画の安全性を否定し、原告らの人格権が侵害される具体的危険があると指摘した。この判決をもとに、各自治体でも再稼働には同意しない運動を広げ、廃炉まで頑張ろう」と訴えた。

 閉会あいさつでは、よびかけ人の落合恵子さん(作家)が「この10年でさまざまなことがあった。ゴールは原発ゼロの社会。前に向かって歩いていこう」と語り、闘いを誓い合った。

 集会後、参加者はコールしないサイレント・デモ。街宣車を先頭に、横断幕やプラカードを掲げて出発した。東電本店前から銀座をデモ行進し、脱原発を都民に訴えた。

 集会のオープニングでは、片平里菜さん(福島県出身のシンガーソングライター)が、原発事故や福島にたいする思いを込め、弾き語りをおこなった。

静かに「廃炉」をアピールした(3月27日・東京)

静かに「廃炉」をアピールした(3月27日・東京)

 

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