「解放新聞」(2021.05.05-2989)
【滋賀支局】 部落解放研究第28回滋賀県集会が2月13日にひらかれた。新型コロナウイルス感染拡大の状況と感染防止の観点から、例年の県立文化産業交流会館での開催にかえて大津市内の解放県民センター「光荘」と米原市内の県立文化産業交流会館の小劇場にサテライト会場を設け、オンラインでの開催となった。また、隣保館や市町の人権センター、企業、市役所等にも独自のサテライト会場を設けて参加できるようにし、あわせて1100人が参加した。
集会自体も分科会を中止し、記念講演だけの半日開催。組坂委員長が「全国水平社100周年に向けた部落解放運動の課題と展望」をテーマに語った。
集会では、集会実行委員会の大上誠司・実行委員長(ダイハツ工業)が開会あいさつ。「新型コロナウイルス感染拡大がすすむなかで、昼夜を問わず尽力する人びとや、コロナウイルスに感染した人たちやその家族にたいする誹謗中傷が絶えない。また、インターネットを用いた人権侵害が横行し、傷つき、みずからの将来を絶つ人もでている。本集会が有意義なものになるよう祈念する」と訴えた。
組坂委員長は、全国水平社創立と「水平社宣言」をはじめ、「解放の父」である松本治一郎・元委員長の言葉「不可侵・不可被侵」、斎藤隆夫・衆議院議員の反軍演説(1940年2月2日)、差別語「特殊部落」について、戦後の国策樹立国民運動と「同和対策審議会」答申、「人権教育・啓発推進法」と「社会的身分・門地」、「部落差別解消推進法」の具体化に向けて、格差拡大社会を是正し人権確立社会に向けたとりくみを前進させる、などをとりあげてのべた。
最後に、「先輩の苦労に比べれば、私たちの苦労はたいしたことはない。何のこれしきと思って多くの皆さんと一緒に頑張っている。一歩でも二歩でも部落差別をはじめさまざまな差別がなくなる社会をめざして頑張っていかなければならない。みんなで力を合わせて、人権・平和・環境・民主主義が確立される社会をめざして頑張ろう」と訴えた。
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