「解放新聞」(2021.05.25-2991)
結婚や就職時の差別に直結する、どこが部落かなどの差別情報(識別情報)が依然として削除されず、インターネット上に野放しになっている現状について5月13日、衆議院総務委員会で、松田功・議員(立憲民主党)が、武田良太・総務大臣ら政府の認識を追及した。
松田議員は、法務省の「依命通知」(18年)をふまえ、識別情報の摘示(てきし)は「部落差別に直結する情報」であり「すみやかに削除されるべき」という認識を確認。削除されない現実にたいし、「依命通知」は「遵守されるべきものとお考えか」と追及した。「プロバイダー側の理解を求めたい」(法務省)、通信事業者が「内容を尊重し、適切な対応がはかられることを期待」(総務省)など、事業者まかせの答弁にたいし、個人名などまで撮してさらした差別動画を事業者が削除せず、自治体の提訴でやっと削除の仮処分決定が出た事例(2月、神戸地裁柏原(かいばら)支部)も指摘。「表現の自由の権利への干渉は事業者の判断ではなく法の枠組みのなかで」というドイツのメルケル首相の主張も紹介し実効性ある対応を求めた。
武田大臣は、ネット上の差別は「人格や尊厳を傷つけるものであり、断じて許されない」、「事業者の自主的なとりくみについて、すべてを事業者まかせにするのではなく、総務省の有識者会議でとりくみの効果検証をおこなうこととしており、事業者による削除等の対応および透明性向上の促進につながるように努めてまいりたい」と語った。
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