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ラムザイヤー論文でオンライン学習会 〜日本のレイシズムを可視化

「解放新聞」(2021.05.25-2991)

 「日本のレイシズムを可視化する ラムザイヤーはここにいる!」をテーマに、4月17日、オンラインで学習会がひらかれ、270人が参加した。主催は、研究者などで構成する「ダーバン+20:反レイシズムはあたりまえキャンペーン」。

 部落差別、沖縄差別、朝鮮差別から問題に迫り、米国ハーバード大学のマーク・ラムザイヤー教授による論文の悪質な主張がデマそのものであることを明らかにした。

 部落問題をとりあげたのは、フリーライターの角岡伸彦さん。ブログ「五十の手習い」で「貧困なる精神」をテーマにラムザイヤー教授の論文を批判的にとりあげている。そのラムザイヤー教授の論文は「On the Invention of Identity Politics: The Buraku Outcastes in Japan」(でっちあげられたアイデンティティ・ポリティックス:日本の部落アウトカースト)」(2019年)。

 「珍妙な学説」としてラムザイヤー教授論文をとりあげた角岡さんは、「被差別部落民を彼は賤民ではなく、ただの貧しい農民と強調しているが、貧しい農民=被差別部落民ではない。彼は、なぜ差別されるのかを書いているが、(その理由を)「暴力的、家庭が崩壊しているといってる」。被差別部落の歴史研究を無視して、万事がこんな調子。

 さらに角岡さんは「驚愕の研究手法。引用も勝手に加筆している」と問題点を指摘した。スラムと被差別部落を混同する誤りもあり、「論文としてはありえない」と断定した。

 主催者は、2001年に南アフリカのダーバンで国連がひらいた世界会議(ダーバン会議)が掲げた「人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に反対する」とりくみをすすめようと学習会を企画した。課題は日本のレイシズムだ。

 なお、ラムザイヤー教授の大ウソは、沖縄県民が米軍基地建設に賛成しているという1点でわかる。2019年におこなわれた「辺野古米軍基地建設のための埋立ての賛否を問う県民投票」では72・2%が埋立てに反対だった。。

 

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