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江戸期の茶屋再建 〜裏千家11代玄々斎ゆかり
京都

「解放新聞」(2021.06.25-2994)

 【京都支局】 京都府連東三条支部が主体となって運営しているNPO法人東三条希望の会(安田茂樹・理事長)が、地元の圓光寺にある茶室の改修をおこない、6月27日にお披露目会を催す。

 この茶室は、裏千家の中興の祖といわれる十一代玄々斎(1810〜77年)とゆかりがあり、「任有(にんゆう)」という名前がつけられている。茶室の床柱には「利休十一世 玄々斎宗室」の書きつけが刻まれている。幕末から茶道の近代化に尽力した玄々斎は、西欧人向けにテーブルと椅子で茶事をする立礼用の点茶盤を発案した。

 もともとは別の場所にあった茶室が東三条に移築され、茶会などで使われていたが、老朽化したため、今回、全面的な改修をおこなうことになった。このうち茶室の炉の改修費用をクラウドファンディングで募り、目標の30万円をこす寄付を集めた。

 東三条支部では、圓光寺の茶室を利用して茶会を開催することが長年の目標だった。木下松二・支部長は「かつて、あまべ村とよばれた東三条の歴史を知るうえでも、茶室の存在は大切なもの。私たちが地域の歴史を学んでいるなかで発見した文化財である。この茶室を活用していければ」と話した。

 安田理事長は「150年の歴史を超えて、現在、茶室は生まれ変わろうとしている。地域にある文化財を、いまの私たちが新たな居場所づくりに活用し、かつての「おもてなしの場」であった茶室を広く多くの人に知ってもらい、今後どのような活用ができるかを考えていきたい」とのべた。

茶屋をみる地元の関係者(京都市)

茶屋をみる地元の関係者(京都市)

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