「解放新聞」(2021.07.15-2996)
【愛知支局】 愛知県の東三河地方で狭山事件を訴え続けている「狭山事件の再審を求める東三河の会」が6月26日、豊橋市・アイプラザ豊橋で集会をひらき、60人が参加した。宗教者や元教員が中心となり、石川さんの無実を訴えているグループ。牧野弘済・共同代表の主催者あいさつのあと、山﨑和男・共同代表が、「目で見てわかる石川さんの無実」として、石川さんの家のカモイの模型を使い、被害者の「万年筆」発見のおかしさを説明した。
愛知県連からは「考えよう人権、なくそう差別」をテーマに報告。「石川一雄さんは部落差別によって犯人にされた」「部落差別の現状―事例をもとに」という2点を中心に訴えた。
東三河の狭山集会で、県連から、狭山事件については、被害者のものとされる万年筆の「発見」過程の不自然さや下山鑑定で明らかにされたインクの違い、遺体を埋めるのに使用されたとされる「スコップ」もI養豚場のスコップとは限らないこと、当時のマスコミにも石川一雄さんを犯人と決めつけて部落差別意識を煽る記事があり、警察の見込み捜査や誤った目撃証言の背景に部落差別の現実があったことを説明した。
部落差別の現状については、インターネット上の部落差別情報について、部落の家の表札や店の看板まで撮影し、ネット上に流した鳥取ループ・示現舎の問題をはじめ、同様に部落差別情報をSNSで発信している県内住民がいることを報告、部落差別の助長・誘発であり、書き込みをみつけた場合、削除に向けて行政に連絡し働きかけを、と訴えた。部落差別撤廃に向けた県条例制定の重要性も強調。戸籍等の不正取得を防ぐ事前登録型本人通知制度についても、豊橋や豊川など制度を導入している自治体の居住者は登録し、個人情報を守ってほしい、と訴えた。
再審開始を求める仲間からの訴えでは、袴田事件、豊川事件は、それぞれ支援者が報告。天竜林業高校(成績改ざん収賄)事件は当事者の北川好伸さんが訴えた。
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