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知事が両大臣に要望
〜府連からの問題提起受けて〜
大阪

「解放新聞」(2021.07.25-2997)

武田良太・総務大臣(右)に提案書を手渡す吉村知事(7月2日・東京)

武田良太・総務大臣(右)に提案書を手渡す吉村知事(7月2日・東京)

上川陽子・法務大臣(左)に提案書を手渡す吉村洋文・大阪府知事(7月2日・東京) data-lightbox=

上川陽子・法務大臣(左)に提案書を手渡す吉村洋文・大阪府知事(7月2日・東京)

 【大阪支局】 大阪府の吉村洋文・知事は7月2日、国会を訪れ、「インターネット上の人権侵害事象に対処するための提案」について上川陽子・法務大臣と武田良太・総務大臣に要望した。大阪府連が吉村知事との政策懇談会で求めていたもの。コロナ禍で延期されていたが、2年越しで実現した。

 部落を動画で撮影して所在地をインターネット上にさらす行為や悪質な誹謗中傷が原因で自死に追い込まれたケース、露骨なヘイトスピーチなど、インターネットの人権侵害行為が深刻な社会問題になっている。

 府連は、2年前にひらかれた吉村知事との政策懇談会で鳥取ループ・示現舎が「部落探訪」で部落の所在地を動画でインターネット上にばらまいている実態を示し、なんらかの規制ができないのかと問題提起。吉村知事は「許しがたい。法務局に削除要請をしているが、いまだ掲載されている」などとし、「表現の自由との兼ね合いはあるが、行政としてやれることをやっていく」と表明。その後、「大阪府差別解消に関する有識者会議」を立ちあげて議論され、それをふまえて大阪府が「インターネット上の人権侵害事象に対処するための提案」をまとめて国に要望することを約束していた。

 まず法務省を訪れた吉村知事は、上川大臣に「インターネット上の人権侵害のひどい状況をふまえ、ぜひ大臣の力をお借りしたい」などとのべ、提案書を手渡した。そのあと、総務省では武田大臣へも同様の要望とコロナ感染拡大の影響が長期化することから府民生活を守るセーフティネットの充実や子どもの学習支援、DVなどに対応する相談体制の充実などを求めた。

 総務大臣との面会後、囲み取材に応じた吉村知事は「インターネット上の人権侵害があまりにもひどい状況になっているということについて法改正のお願いをした。上川大臣、武田大臣から、ひじょうに問題のあるものが多い、なんとかできないか前向きに考えていきたい、という発言をいただいた。表現の自由もかかわるので法改正が必要になってくると思うが、なんとか実現できるように強く働きかけをしていきたい」とのべた。

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