「解放新聞」(2021.09.15-3002)
【北陸支局】 部落解放同盟は7月28日、浄土真宗本願寺派富山教区との意見交換をおこなった。同盟からは池田、髙橋、安田の各中執と、福井県連から山下敬太郎・県連委員長ら、6人が出席した。過去帳の写真が地元紙に掲載された経緯について、熊本義秀・教務所長は「(住職は)寺の歴史を尋ねられるなかで、個人情報を開示する目的ではなくあくまでも寺の年代の確認のために開示した」「過去帳にたいする住職の認識が浅かった。今後、住職だけでなく僧籍を持つ者への研修にとりくんでいきたい」とのべた。
これにたいして、同盟からは▽住職は部落問題と過去帳の関係に気づいていないのではないか▽開示の意図や悪意の有無の問題ではない▽(自身の行為の問題性を)重く受け止めなければならない、などと指摘。そのうえで、住職の過去帳と過去帳とりあつかいについての当時の認識をほりさげて確認すること、また教区としてのとりくみの方針と、日程を文書化し提示することを求めた。
北日本新聞(5月10日付)の「てくてく風土記 魚津城下町寺社巡り」と題する連載記事のなかで魚津市内の寺院(浄土真宗本願寺派富山教区)の過去帳の写真が掲載された問題。寺院の住職の「門徒さんより大切なものはありません」との言葉を紹介し(住職が)「〝一番の宝〟と語る過去帳。江戸期からの故人の記録が残る」との説明とともに見開きの状態で過去帳写真が掲載された。
そのほか、北陸行動では、28日に高岡教区、29日には石川教区、福井教区との意見交換にそれぞれとりくんだ。おもに2019年から教団がとりくむ「御同朋をめざす運動」(実践運動)人権啓発推進僧侶研修会の実施状況を確認した。
昨年度の実施については▽コロナ禍で未実施となった研修会もあった(石川)▽およそ2割の組(そ)で実施(富山)▽9割以上の組で実施(福井)と、とりくみに大きな格差があることが明らかになった。研修会の参加率についても組別・年代別の参加状況の把握等が十分におこなわれていない教区もあった。また、報告された参加率から研修が届いていない僧侶が多数であるという実態も明らかになった。
同盟からは富山教区での過去帳開示問題など具体例を示した研修の実施を要請した。
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