「解放新聞」(2021.10.05-3004)
【大阪支局】 同和問題解決(部落解放)・人権政策確立要求大阪実行委員会は「モニタリング」の実際を学ぶ検討会を9月6日に大阪市・A`ワーク創造館でとりくみ、地域実行委や府内自治体、人権団体、府連から会場とオンライン参加をあわせておよそ40人が参加し、二つの講演を受け学習したほか、実際にインターネット上での差別情報の発見、削除依頼のやり方について解説を受けながらパソコン操作の実践にもとりくんだ。
主催者あいさつした北浦德次・委員長は、示現舎の「部落探訪」(被差別部落内のようすを映した動画をネット上に掲載)など差別を助長する情報を削除する方法、機関を構築していかねばならない」と強調した。
講演は、部落解放・人権研究所の川口泰司・業務執行理事(山口県人権啓発センター事務局長)が「モニタリングの状況とネットの人権侵害の課題について」、広島県福山市の市民局まちづくり推進部人権・生涯学習課の高橋雅和さんが「福山市におけるモニタリングのとりくみと課題」として報告をおこなった。
また実践学習では松村元樹・反差別・人権研究所みえ常務理事兼事務局長が解説をおこなった。
川口事務局長は、モニタリングの課題として▽削除依頼に強制力がないため削除されない事例がある▽担当者の意識やスキルで削除の判断基準にばらつきが出る▽当該の自治体に関する投稿だけの発見、削除依頼▽全国レベルでの情報共有の場がない、と指摘。削除判断基準として各自治体が部落差別事象・部落差別事件として対応してきた判断基準を適用すべきと強調。また「プロバイダ責任制限法」改正などがすすむが、包括的な差別禁止法や人権救済機関設置、また「推進法」強化改正が必要と強調した。
2008年から先進的にモニタリングにとりくんできた福山市は、インターネット上の掲示板サイトでの削除依頼の方法を説明。同市では掲示板サイトでの差別情報の削除依頼では、およそ8割が削除されていると報告された。
今回の検討会は、「ネットの人権侵害根絶のための効果的なとりくみ検討会」の第一回としてひらかれたもの。まとめをおこなった村井康利・事務局長(府連書記長)は、「実行委の府内自治体へのアンケート調査ではモニタリングを約半数の自治体で実施、準備していると明らかになった。こうしたとりくみを情報交換していきたい」とのべた。
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